フレンチの巨匠として知られる三國清三さんのレシピ「ラムシチュー」をご紹介します。シチューといえば、長い時間をかけてコトコトと煮込むイメージがあるかもしれませんが、このレシピはフライパン一つで短時間で仕上げるのが特徴です。
薄切りのラム肩ロース肉を使用し、生クリームをベースにしたリッチで白いソースを合わせることで、驚くほど上品で本格的な一皿が完成します。ポイントは、ラム肉特有の旨味を最大限に引き出しつつ、火を通しすぎずに柔らかく仕上げること。
また、白ワインと白ワインビネガーを使ってフライパンに残った旨味をソースに溶かし込む、フランス料理の「デグラッセ」という技法を家庭で簡単に再現できるよう工夫されています。
にんじんやじゃがいも、グリンピースといった彩り豊かな野菜も、煮込まずに別茹でして最後にサッと合わせることで、それぞれの素材の味や食感がしっかりと活きています。器に一口大に切ったサラダ菜を敷き、そこに熱々のシチューをかけるというアイデアも非常に斬新です。
熱いシチューの熱でサラダ菜に五分どおり火が通り、柔らかくなることで、野菜もたっぷりと美味しく食べられます。休日の特別なディナーや、おもてなしの席にもぴったりの、三國清三さん直伝の極上ラムシチューをぜひご家庭で挑戦してみてください。
【三國清三さんのレシピ】ラムシチューの作り方
Course: 主菜Cuisine: フレンチ3
servings20
minutes15
minutes1026
kcal35
minutesフレンチの巨匠として知られる三國清三さんのレシピ「ラムシチュー」をご紹介します。シチューといえば、長い時間をかけてコトコトと煮込むイメージがあるかもしれませんが、このレシピはフライパン一つで短時間で仕上げるのが特徴です。
材料
ラム肩ロース肉(薄切り) 360g
にんじん 1本(140g)
じゃがいも 1+1/3コ(200g)
グリンピース(冷凍でもよい) 60g
にんにく(みじん切り) 小さじ1
たまねぎ(みじん切り) 小さじ2
しょうが(みじん切り) 小さじ2
白ワイン 70ml
白ワインビネガー 35ml
生クリーム 400ml
サラダ菜 12枚
パセリ(軸を取り、粗みじん切り) 4枝分
天然塩 適量
こしょう 少々
小麦粉
オリーブ油 大さじ1+1/3
バター 大さじ1+2/3
作り方
- にんじんは皮をむいてからゆで、2cm角に切る。じゃがいもはゆでてから皮をむき、2cm角に切る。グリンピースは天然塩少々を入れた湯でゆで、ざるに上げる。
- ラム肉は大きければ食べやすい大きさに切り、天然塩・こしょう各少々をふる。小麦粉を薄くまぶす。
- フライパンにオリーブ油、バターを入れて熱し、バターがうっすらと色づいてきたら 2 のラム肉を入れる。強火で表面をサッと焼いてバットに取り出す。
- ポイント
- 白いバターが黄色くなりはじめたら、油が十分に熱くなっている証拠なので、肉を入れる。ラム肉は焼きすぎると堅くなる。少し赤い部分が残っているぐらいで取り出す。
- 3 のフライパンに、にんにく、たまねぎ、しょうがを入れて香りが出るまで炒める。白ワイン、白ワインビネガーを加えて煮詰め、時々フライパンをスプーンなどでこそいでうまみを溶かす。
- ポイント
- 【ここが決め手!】 フライパンに残っているラム肉のうまみをよく溶かす。 煮詰めてアルコール分と酸味をとばす。フライパンにラム肉のうまみが残っているのでこそげて溶かし出す。
- 生クリームを加えて一度沸かし、天然塩・こしょう各少々で味を調える。
- 1 の野菜類を入れ、 3 のラム肉を戻し入れてサッとあえて、火を止める。
- ポイント
- 野菜は先に火を通しておく。煮込んで火を通すより、素材のおいしさが味わえる。 【ここが決め手!】 ラム肉を戻し入れてサッとあえたら、すぐ火を止める。ラム肉は火を通しすぎないことが大切。赤い部分がなくなったら、火を止める。
- 器に一口大に切ったサラダ菜を敷いて 6 を盛り、パセリを散らす。
- ポイント
- 熱いシチューをかけるとサラダ菜に五分(ぶ)どおり火が通る。サラダ菜が柔らかくなり、たくさん食べられる。
メモ
- 三國清三さんのレシピ (ラムシチュー)
ラムシチューを美味しく作る3つの極意
ラム肉は強火でサッと焼き、赤い部分を残して取り出す
このレシピの最初の大きなポイントは、ラム肉の火入れです。ラム肩ロース肉は焼きすぎるとすぐに固くなってしまうため、火加減とタイミングが非常に重要です。フライパンにオリーブ油とバターを熱し、バターがうっすらと黄色く色づき始めたら、油が十分に熱くなった証拠です。
ここで小麦粉をまぶしたラム肉を入れ、強火で表面をサッと焼き付けます。中まで完全に火を通す必要はなく、少し赤い部分が残っているミディアムレアの状態で一旦バットに取り出します。
後から温かいソースに戻し入れる工程があるため、この段階で焼きすぎないことが、口の中でとろけるような柔らかいお肉に仕上げるための最大の秘訣となります。
フライパンの底の旨味をこそげ落とし、ソースに溶け込ませる
ラム肉を取り出した後のフライパンは絶対に洗わないでください。フライパンの底には、ラム肉から溶け出した極上の旨味成分がこびりついています。ここにみじん切りにしたにんにく、たまねぎ、しょうがを加えて炒め、香りを引き出します。
その後、白ワインと白ワインビネガーを加えたら、木べらやスプーンなどを使ってフライパンの底をこそげ落とすように混ぜ合わせます。これはフランス料理における重要な技法であり、酸味とアルコールを飛ばしながら、肉の旨味を余すところなくソースのベースへと溶かし込んでいく作業です。
このひと手間が、シチューの味わいにプロのような深みと複雑なコクをもたらす決め手となります。
野菜は別茹でし、最後にサッと和えて素材の味を生かす
一般的なシチューは肉と野菜を一緒に煮込みますが、このレシピでは、にんじん、じゃがいも、グリンピースはあらかじめ別茹でしておきます。そして、生クリームのソースが仕上がった最後の段階で、取り出しておいたラム肉と一緒にフライパンに加え、サッと和えるだけで完成させます。
煮込んで火を通すのではなく、すでに火の通った食材にソースを絡めるだけにとどめることで、野菜本来の甘みやほっくりとした食感、鮮やかな色合いを損なうことなく楽しむことができます。また、ラム肉を戻し入れた後は、肉に火が入りすぎないよう、赤い部分がなくなったらすぐに火を止めるのが重要です。
これにより、すべての食材が最高の状態で調和します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
このラムシチューは、生クリームの濃厚なコクと白ワインビネガーの爽やかな酸味が特徴的なソースを使用しているため、合わせるワインもその風味に寄り添うものがおすすめです。
ソースに白ワインを使っているため、しっかりとした果実味と樽熟成によるコクを持つ白ワイン、例えばブルゴーニュ地方のシャルドネなどが素晴らしい相性を見せます。クリームのまろやかさとワインのふくよかさが口の中で見事に調和します。
一方で、主役がラム肉であることを考えると、軽やかでエレガントな赤ワインも選択肢に入ります。タンニンが強すぎず、酸味が美しいピノ・ノワールなどは、ラム肉の風味を引き立てつつ、ビネガーの効いたソースとも喧嘩せずに美味しくいただけます。
また、少し冷やしたロゼワインを合わせることで、料理の重さを和らげ、より華やかなディナータイムを演出することもできます。お好みに合わせて、至福のマリアージュをお楽しみください。
保存テクニックと温め直し方
生クリームをたっぷりと使用しているため、傷みやすく、長期間の保存には向いていません。出来上がったラムシチューは、できるだけその日のうちに食べ切ることをおすすめします。どうしても余ってしまった場合は、清潔な保存容器に移し、粗熱が完全に取れてから冷蔵庫で保存してください。
翌日には食べ切るようにしましょう。温め直す際は、電子レンジではなく小鍋に移し、極弱火でゆっくりと温めてください。強火で加熱したり沸騰させたりすると、生クリームが分離してしまう恐れがあるため注意が必要です。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、日本を代表するフレンチの巨匠、三國清三さんのレシピ「ラムシチュー」をご紹介しました。何時間も煮込む必要がなく、フライパン一つで手軽に作れるのが嬉しいポイントです。
ラム肉の柔らかな食感を保つための絶妙な火入れ加減や、フライパンに残った肉の旨味を白ワインとビネガーで余すところなくソースに溶かし込むテクニック、そして野菜を別茹でして最後に合わせることで素材の味を活かす方法など、プロならではの工夫が随所に散りばめられています。
器に敷いたサラダ菜に熱々のシチューをかけることで、しんなりとしたサラダ菜と一緒にさっぱりといただけるのも魅力の一つです。一見すると難しそうに感じる本格的なフレンチの味わいが、ご家庭にある調理器具と身近な食材で驚くほど見事に再現できます。
特別な日のお祝いや、大切な人へのおもてなし料理として、ぜひこの極上ラムシチューを作ってみてください。
