今回は、日本料理の巨匠である田村隆さんのレシピ「若竹煮」をご紹介します。若竹煮は、春の訪れを感じさせる代表的な和食の一つであり、新しいたけのこと、柔らかいわかめの相性が抜群の煮物です。田村隆さんのレシピでは、素材の持ち味を最大限に活かすため、繊細なだしの取り方と風味づけが特徴となっています。
特に注目したいのは、かつお節をガーゼに包んで加える「追いがつお」の手法です。これにより、煮汁が濁ることなく、かつおの豊かな香りと深い旨味がたけのこにしっかりと染み込みます。また、たけのこの繊維の太さに合わせて切り方を変えるなど、食感を大切にする細やかな工夫も盛り込まれています。
春の季節感あふれる木の芽を添えれば、目でも舌でも楽しめる本格的な一品が完成します。ご家庭の食卓に、料亭のような上品な味わいを取り入れてみませんか。日本の豊かな四季を感じられる田村隆さん直伝の若竹煮を、ぜひこの機会に作ってみてください。
【田村隆さんのレシピ】若竹煮の作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食4
servings15
minutes20
minutes75
kcal35
minutes今回は、日本料理の巨匠である田村隆さんのレシピ「若竹煮」をご紹介します。若竹煮は、春の訪れを感じさせる代表的な和食の一つであり、新しいたけのこと、柔らかいわかめの相性が抜群の煮物です。田村隆さんのレシピでは、素材の持ち味を最大限に活かすため、繊細なだしの取り方と風味づけが特徴となっています。
材料
新ゆでたけのこ(中ほどの部分) 2本分(500~600g)
わかめ(塩蔵) 60~80g
昆布 10g
かつお節(削り節) 20g(かつお節を包むガーゼを用意する。)
木の芽 適宜
【A】
だし カップ3
酒 カップ1/4
みりん 大さじ1
うす口しょうゆ 大さじ1
作り方
- たけのこは繊維が細ければ半分に切って四つ割りに、繊維が太ければ、回しながら7mm厚さの乱切りにする。
- わかめは水に浸して塩出しをし、湯でサッとゆでる。湯をきって一口大に切る。
- かつお節はガーゼで包み、しっかりと口を縛っておく。
- 鍋に 1 のたけのこ、【A】の材料、昆布を入れて火にかける。
- フツフツと煮立ってきたら、 3 のかつお節を加え(追いがつお)、弱火にして少し煮てから火を止め、そのままおいて味を含ませる。
- 昆布と追いがつおを取り出し、 2 のわかめを加えて火にかけ、十分に温かくなったら、たけのことわかめを器に盛り、木の芽をのせて煮汁を注ぐ。
メモ
- 田村隆さんのレシピ (若竹煮)
若竹煮を美味しく作る3つの極意
たけのこの繊維に合わせた切り方の工夫
このレシピの重要なポイントは、たけのこの部位や繊維の太さによって切り方を変えることです。たけのこの繊維が細い部分は、半分に切ってから四つ割りにすることで、柔らかい食感をそのまま楽しむことができます。一方で、根元に近い繊維が太い部分は、回しながら7mm厚さの乱切りにします。
このように切ることで、硬い繊維が断ち切られて食べやすくなるだけでなく、表面積が大きくなるため、煮汁の旨味がしっかりと中まで染み込みやすくなります。素材の状態を見極めて包丁の入れ方を変えるという、和食ならではの繊細な技術が光る工程です。
追いがつおで風味を最大限に引き出す
煮汁の香りと旨味を決定づけるのが、かつお節をガーゼで包んで加える「追いがつお」の手法です。鍋にだし、調味料、昆布を入れてフツフツと煮立ってきた絶妙なタイミングで、ガーゼで口を縛ったかつお節を加えます。
そのまま鍋に散らさずガーゼに包むことで、煮汁を濁らせることなく、かつお節の芳醇な香りだけを上品に抽出することができます。弱火で少し煮た後に火を止めてそのまま置くことで、温度が下がる過程で旨味がたけのこの中へと深く浸透していきます。料亭のような透明感のある美しい煮汁に仕上げるための大切なポイントです。
わかめを加えるタイミングと仕上げ
わかめを煮る工程にも、素材を活かす大切なポイントがあります。わかめはあらかじめ水に浸して塩出しをし、サッと湯通ししておきますが、鍋に加えるのはたけのこに十分に味を含ませ、昆布と追いがつおを取り出した後です。わかめは長時間煮込むと色合いが悪くなり、特有の歯ごたえも失われてしまいます。
そのため、最後に加えて十分に温かくなる程度にサッと火を通すのが正解です。こうすることで、わかめの鮮やかな緑色と磯の香りが保たれ、たけのこや木の芽と一緒に盛り付けた際に、春らしい美しい色彩のコントラストを生み出すことができます。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
田村隆さんの若竹煮には、和食の繊細なだしに寄り添うような、優しくすっきりとした飲み口のお酒がよく合います。特におすすめしたいのが、軽快で華やかな香りを持つ純米吟醸酒や、ミネラル感のある辛口の日本酒です。たけのこのほろ苦さと木の芽の爽やかな香りを、日本酒のフルーティーな吟醸香が優しく包み込みます。
また、ワインを合わせる場合は、日本の固有ブドウ品種である甲州を使った白ワインが素晴らしい相性を見せます。甲州ワインの持つ和柑橘のような爽やかな香りと、穏やかな酸味、そして余韻に感じるわずかな渋みが、若竹煮のだしの旨味やたけのこの風味と見事に調和します。
その他にも、シャブリのようなステンレスタンクで醸造されたスッキリとしたシャルドネも、わかめの磯の香りやミネラル感と同調し、料理の味わいを引き立ててくれます。
保存テクニックと温め直し方
若竹煮が余った場合は、清潔な保存容器に移し、必ず煮汁に浸した状態で冷蔵庫で保存してください。煮汁に浸しておくことで、たけのこが乾燥せず、中までしっかりと味が染み込んでさらに美味しくなります。保存期間の目安は、冷蔵で約2〜3日程度です。
ただし、わかめは時間が経つと色がくすんで食感が柔らかくなりすぎるため、可能であればわかめだけ先にお召し上がりいただくか、保存する際は別にしておくことをおすすめします。温め直す際は、鍋に移して弱火で優しく加熱するか、電子レンジを使用してください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、日本料理の魅力を存分に味わえる、田村隆さんの「若竹煮」のレシピをご紹介しました。新ゆでたけのこと塩蔵わかめという、春の出会い物を組み合わせたこの料理は、シンプルでありながら奥深い味わいが特徴です。
切り方の工夫や、ガーゼに包んだかつお節で行う「追いがつお」、そして火を止めて味を含ませるという工程など、和食の基本と素材への細やかな気配りが詰まっています。これらの丁寧な手順を踏むことで、ご家庭でも料亭でいただくような、透き通った旨味のある美しい煮物を作ることができます。
木の芽の爽やかな香りを添えて、季節の移ろいを感じる豊かな食卓を演出してみてください。和食の基本を学びたい方や、旬の食材を最も美味しい状態で楽しみたい方に、自信を持っておすすめできる本格レシピです。
