今回は、日本料理の確かな技術に基づいた本格的な味わいを家庭でも再現できる、田村隆さんのレシピ「豆腐のきのこあんかけ」をご紹介します。肌寒い季節や、ほっと一息つきたい時にぴったりの、心温まる和食の定番です。
主役となるのは、口当たりがなめらかな絹ごし豆腐と、たっぷりのえのきだけ、なめこが織りなす風味豊かなきのこあん。田村隆さんのこのレシピの素晴らしい点は、シンプルな食材を使いながらも、素材一つ一つの持ち味を最大限に生かし、上品な味わいに仕上げるプロの技が詰まっていることです。
一度火から下ろして味を含ませる工程や、豆腐を煮立てないようにする繊細な火加減など、和食ならではの丁寧な仕事が随所に光ります。たっぷりのだし汁にきのこの旨味が溶け出し、最後にとろみをつけることで、旨味の詰まったあんが絹ごし豆腐にしっかりと絡みます。
薬味として添える細ねぎと柚子こしょうが、全体の味をキリッと引き締め、最後まで飽きることなく楽しめます。毎日の献立に取り入れやすく、心も体も満たされる田村隆さん直伝の本格的な一品を、ぜひご自宅でお試しください。
【田村隆さんのレシピ】豆腐のきのこあんかけの作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食4
servings10
minutes15
minutes130
kcal25
minutes今回は、日本料理の確かな技術に基づいた本格的な味わいを家庭でも再現できる、田村隆さんのレシピ「豆腐のきのこあんかけ」をご紹介します。肌寒い季節や、ほっと一息つきたい時にぴったりの、心温まる和食の定番です。
材料
絹ごし豆腐 2丁
えのきだけ 2袋(200g)
なめこ 2パック(200g)
だし カップ2
細ねぎ(小口切り) 適量
柚子(ゆず)こしょう 適量
塩 小さじ1
みりん 大さじ1
しょうゆ 大さじ2
【水溶きかたくり粉】
かたくり粉 大さじ1
水 大さじ1
作り方
- 豆腐はそれぞれ4等分に切る。えのきだけは汚れを軽くふき取って根元を除き、かさのほうを押さえ、根元のほうを箸でほぐして長さを半分に切る。なめこは流水によくさらしてぬめりを取り、ざるに上げる。
- 鍋に 1 のえのきだけとなめこを入れ、だしを加えて強火にかけ、塩小さじ1、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ2を加える。
- 2 が煮立ったら中火にして 1 の豆腐を加え、10分間煮る。火から下ろし、粗熱を取り、味を含ませる。
- ポイント
- 豆腐に“す”が立たないように、豆腐を煮る間は決して煮立たせないこと。
- 3 を再度中火にかけ、豆腐が温まるまで3~4分間煮て、豆腐を器に盛る。
- かたくり粉を分量の水で溶き、 4 の鍋に回し入れて混ぜ、とろみをつける。
- 5 のきのこあんを 4 の豆腐にかけ、細ねぎと柚子こしょうを添える。
メモ
- 田村隆さんのレシピ (豆腐のきのこあんかけ)
豆腐のきのこあんかけを美味しく作る3つの極意
なめこの下処理でぬめりを丁寧に取り除く
田村隆さんのレシピにおいて、なめこを流水によくさらしてぬめりを取る工程は、美しくおいしい「きのこあん」に仕上げるための重要なステップです。なめこのぬめりはそのままだとだし汁を濁らせてしまい、あんの口当たりも重たくなってしまいます。
流水で丁寧に洗って余分なぬめりをすっきりと落とすことで、だしの澄んだ風味や香りが生かされ、品のあるあんかけになります。また、ざるに上げてしっかりと水気を切ることで、煮汁が薄まらず、しょうゆやみりんの味がピタッと決まります。
豆腐に「す」が立たないよう決して煮立てない
このレシピの最大のポイントは、絹ごし豆腐を煮る際の火加減です。だし汁が煮立ったら中火にし、豆腐を加えた後は「決して煮立たせない」ことが極意です。
豆腐は高温でぐらぐらと煮立ててしまうと、内部の水分が膨張して空洞ができる「すが立つ」という状態になり、せっかくの絹ごし豆腐のなめらかな食感が失われて固くなってしまいます。
静かにコトコトと煮ることで、絹ごしならではのつるんとしたなめらかな口当たりを保ったまま、だしの旨味を豆腐の表面に優しくまとわせることができます。
粗熱を取ることで豆腐に味をしっかりと含ませる
豆腐を10分間煮た後、すぐに食べるのではなく「一度火から下ろし、粗熱を取って味を含ませる」という工程に、和食ならではの知恵が詰まっています。食材は加熱している時よりも、温度が下がる過程で味が内部へと染み込んでいきます。
このひと手間を加えることで、淡白な豆腐にきのこやだしの旨味、調味料の味がしっかりと馴染み、奥深い味わいへと変化します。食べる直前に再度3〜4分間中火にかけて温め直すことで、熱々でありながら中まで旨味が浸透した完璧な仕上がりになります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
田村隆さんの「豆腐のきのこあんかけ」は、だしの旨味ときのこの風味、柚子こしょうの爽やかな辛味が特徴の繊細な和食です。この料理には、素材の味を邪魔しないスッキリとした味わいの日本酒や、軽やかな白ワインがよく合います。
白ワインを選ぶ場合は、樽香の少ないフレッシュなソーヴィニヨン・ブランや、ミネラル感のあるシャブリなどがおすすめです。きのこの持つ大地の香りと、白ワインの持つハーブや柑橘系の香りが美しく調和し、豆腐のなめらかな食感をより引き立ててくれます。
また、柚子こしょうのアクセントがあるため、ほんのりとスパイス感のある和風ベースのクラフトビールや、すだちなどの柑橘を絞った炭酸水とも相性抜群です。温かいあんかけのほっこりとした味わいと、キリッと冷えた飲み物の温度差を楽しむのも、この料理ならではの贅沢な味わい方です。
ぜひ、お好みの飲み物と一緒に合わせてみてください。
保存テクニックと温め直し方
この「豆腐のきのこあんかけ」は、出来立ての温かい状態が最も美味しくお召し上がりいただけますが、余った場合は冷蔵庫での保存が可能です。粗熱が完全に取れたら、清潔な密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管してください。保存期間の目安は翌日までです。
ただし、豆腐は時間が経つと水分が出てあんが薄まってしまうことがあるため、なるべく早めに食べ切ることをおすすめします。温め直す際は、電子レンジを使うか、小鍋に移して弱火でゆっくりと加熱してください。とろみが弱くなっている場合は、少量の水溶き片栗粉を足して再度とろみをつけると、美味しく復活します。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した田村隆さんの「豆腐のきのこあんかけ」は、絹ごし豆腐となめこ、えのきだけという身近な食材を使いながら、日本料理の細やかな技術で格別のひと皿に仕上げる素晴らしいレシピです。
なめこのぬめりを丁寧に洗い落とす下ごしらえや、豆腐に「す」が立たないように煮立てずに火を通すこと、そして一度粗熱を取って味をしっかりと含ませるという手順の一つ一つが、最終的な味わいと食感を決定づけます。
きのこから出る豊かな旨味とだしの香りが溶け合ったとろみのあるあんが、なめらかな豆腐を優しく包み込み、体の芯から温まる優しい味わいを実現しています。柚子こしょうと細ねぎのトッピングが爽やかな余韻を残し、ご飯のおかずとしてはもちろん、お酒の肴としても重宝する一品です。
プロの技が光るこの和食レシピを、ぜひご家庭の定番メニューとしてお楽しみください。
