今回は、洋食界の巨匠・大宮勝雄さんのレシピ「アルザス風ポトフ」をご紹介します。フランスのアルザス地方は、ドイツとの国境に位置し、豊かな食文化を育んできた地域です。
そのアルザス地方のエッセンスをたっぷりと詰め込んだこのポトフは、牛すね肉、豚肩ロース肉、そして鶏もも肉という3種類の異なるお肉を贅沢に使用するのが最大の特徴です。
さらに、ジュニパーベリー(ねずの実)やタイム、ローリエといったハーブとスパイスが、お肉の旨味を最大限に引き出しながら、ふくよかで複雑な香りを生み出します。大宮勝雄さんのレシピでは、厚手の鍋を使って野菜とお肉をミルフィーユのように交互に重ねていく手法を取り入れています。
これにより、少量の水分(白ワインと水)だけで蒸し煮にするような状態を作り出し、素材本来の旨味と水分を一滴たりとも逃さずに凝縮させることができます。じっくりと1時間煮込んだお肉はホロホロと崩れるほど柔らかく、野菜はすべての旨味を吸い込んでとろけるような美味しさになります。
おもてなしのメインディッシュとしてはもちろん、休日の特別なディナーにもぴったりの本格的な一皿です。ぜひ、大宮勝雄さんのこの素晴らしいレシピをご家庭で再現してみてください。
【大宮勝雄さんのレシピ】アルザス風ポトフの作り方
Course: 主菜Cuisine: フレンチ4
servings20
minutes1
hour650
kcal80
minutes今回は、洋食界の巨匠・大宮勝雄さんのレシピ「アルザス風ポトフ」をご紹介します。フランスのアルザス地方は、ドイツとの国境に位置し、豊かな食文化を育んできた地域です。
材料
牛すね肉(塊) 400g
豚肩ロース肉(塊) 400g
鶏もも肉 400g
たまねぎ 1+1/2コ
にんじん(皮をむく) 1+1/2本
セロリ(筋を取る) 1本
じゃがいも(皮をむく) 2コ
タイム(生) 12本
ジュニパーベリー 18~21粒(ねずの実。ヒノキ科の植物で、洋酒のジンの香りづけに使用。臭みのある肉料理によく合う。)
ローリエ 1+1/2枚
白ワイン カップ1(リースリングワインが好ましい。)
パセリ(刻む) 適量
粒マスタード 適量
塩
黒こしょう
水 カップ3/4
作り方
- 肉類は3~4等分の大きさに切り分け、全体量を3等分にする。
- たまねぎは薄切り、にんじんとセロリは斜め薄切り、じゃがいもは約1cm厚さの輪切りにし、全体量を4等分にする。
- 厚手の鍋の底面が隠れるように野菜の1/4量を敷き、塩・黒こしょう各少々をふる。肉の1/3量を広げてのせ、塩・黒こしょう各少々、タイム3本、ジュニパーベリー6~7粒、ローリエ1/2枚をのせる。これを2回繰り返し、最後に野菜とタイムをのせる。
- ポイント
- 底面に敷いた野菜が焦げを防ぎ、3種類の肉が味に深みを出す。野菜と肉を交互に重ねることで、うまみがなじむ。
- 白ワインカップ1と水カップ3/4を入れ、ふたをする。
- ポイント
- 味と香りを閉じ込めるために、厚手の重いふたを使い、開けずに煮込む。蒸し煮感覚でうまみが閉じ込められ、味が凝縮する。
- 強火にかけ、沸いたら弱火にし、1時間煮込む。
- 器に盛ってパセリを散らし、粒マスタードを添える。
メモ
- 大宮勝雄さんのレシピ (アルザス風ポトフ)
アルザス風ポトフを美味しく作る3つの極意
野菜と肉を交互に重ねて旨味を循環させる
このアルザス風ポトフのレシピにおいて最も重要なポイントの一つが、鍋の中で具材を重ねる順番です。まず鍋の底面に野菜を敷き詰めることで、長時間の煮込みによる焦げ付きを確実に防ぎます。その上に3種類の肉を広げ、さらに野菜、肉、と交互に層を作っていきます。
このようにミルフィーユ状に重ねることで、上部にある肉から溶け出した旨味の詰まった肉汁が下にある野菜に染み込み、さらに下部の野菜から出る水分が蒸気となって鍋全体を循環します。この相乗効果によって、それぞれの素材の味が複雑に絡み合い、極上のスープが出来上がるのです。
3種類の肉を組み合わせることで生まれる味の深み
一般的なポトフは牛肉だけ、あるいは豚肉だけで作ることが多いですが、大宮勝雄さんのこのレシピでは「牛すね肉」「豚肩ロース肉」「鶏もも肉」という3種類の肉を同時に使用します。
ゼラチン質が豊富で奥深い出汁が出る牛すね肉、脂の甘みと力強い旨味を持つ豚肩ロース肉、そして全体をまろやかに包み込むあっさりとした旨味の鶏もも肉。
これら性質の異なる3つの肉から溶け出す旨味が鍋の中で見事に調和し、単一の肉では決して到達できない、レストランのような圧倒的な味の深みとコクを生み出すことができるのです。
厚手の鍋と少量の水分で蒸し煮にして旨味を凝縮
ポトフというと、たっぷりのスープで煮込むイメージがあるかもしれませんが、このレシピで加える水分は白ワインカップ1と水カップ3/4のみです。この少量の水分で素材を煮上げるために欠かせないのが「厚手で重いふたのある鍋」を使用することです。
重いふたがしっかりと密閉することで、沸騰した際の蒸気が逃げず、鍋の中が一種の圧力鍋のような状態になります。蒸し煮感覚でじっくりと1時間加熱することで、肉と野菜から染み出したエキスがスープに溶け込むだけでなく、再び素材に戻っていき、味がぎゅっと凝縮された濃厚な仕上がりになります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
大宮勝雄さんの「アルザス風ポトフ」には、やはりレシピの材料としても使用されているフランス・アルザス地方の白ワインを合わせるのが最高のペアリングとなります。特に、レシピ内で推奨されている「リースリング」のワインは、この料理のためにあるかのような相性の良さを誇ります。
リースリングの持つキリッとした美しい酸味と、青リンゴや白い花を思わせる華やかなアロマが、ジュニパーベリーやタイムといったハーブの香りを見事に引き立ててくれます。
また、3種類の肉から出る濃厚でリッチな旨味と脂っこさを、リースリングの酸味がすっきりと洗い流してくれるため、次の一口がさらに美味しく感じられます。リースリング以外であれば、同じくアルザス地方の「ピノ・グリ」もおすすめです。
こちらは少しボリューム感があり、スパイシーなニュアンスも持ち合わせているため、お肉の力強い味わいにしっかりと寄り添ってくれます。お召し上がりの際は、グラスに注いだワインの香りを楽しみながら、粒マスタードをたっぷりつけたお肉と一緒に味わってみてください。
保存テクニックと温め直し方
ポトフは、出来立てはもちろん美味しいですが、時間が経つごとに素材の旨味がスープに溶け出し、さらに深く馴染んでいく料理です。残った場合は、鍋のまま完全に粗熱を取り、清潔な保存容器に移して冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存の目安は約2〜3日です。
食べる際は、電子レンジではなく鍋に移して弱火でゆっくりと温め直すことで、お肉が再び柔らかく美味しくいただけます。また、スープが残った場合は、ご飯を入れてリゾット風にしたり、パスタを絡めたりして、最後まで余すことなく旨味を堪能することができます。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した大宮勝雄さんの「アルザス風ポトフ」は、牛すね肉、豚肩ロース肉、鶏もも肉という3種類の肉と、たっぷりの香味野菜を厚手の鍋でじっくりと蒸し煮にする、本格的で贅沢な一皿です。
ジュニパーベリーやタイムといったハーブが爽やかに香り、お肉と野菜から溢れ出た濃厚な旨味が凝縮されたスープは、まさに絶品の一言に尽きます。
調理工程自体は、食材を切って鍋に順番に重ねていき、少量の白ワインと水で煮込むだけと非常にシンプルですが、野菜とお肉を交互に重ねる工夫や、重いふたをして蒸し気を逃さないといったポイントを押さえることで、驚くほど本格的な味わいに仕上がります。
特別な日のメインディッシュや、週末のゆっくりとしたディナーに、心も体も温まるこのアルザス風ポトフを作ってみてはいかがでしょうか。粒マスタードをたっぷりと添えて、美味しいワインとともにお楽しみください。
