料理家・ワタナベマキさんの手掛ける、醤油を使わずにあっさりと仕上げた「大根と豚のとろとろ塩角煮」のレシピをご紹介します。
豚の角煮といえば、甘辛い醤油ベースの濃厚な味付けが定番ですが、ワタナベマキさんの塩角煮は、豚バラ肉の持つ本来の旨みとコクを塩ベースのすっきりとしたスープで引き出す、洗練された一品です。
たっぷりの大根とともにじっくり煮込むことで、お肉は口の中でほろりと崩れるほど柔らかく、大根には豚肉の旨みと昆布の豊かな出汁がしっかりと染み込みます。このレシピの大きな魅力は、下ゆでと香ばしい焼き色のひと手間を惜しまないこと。
これにより、豚バラ肉特有のくさみや余分な脂が落ち、すっきりとしながらも奥深い味わいを生み出しています。最後にお好みで添えるすだちの爽やかな香りと酸味が、濃厚な豚の脂をさっぱりとまとめ上げ、最後まで飽きることなく美味しくいただけます。
ご家庭での夕食のメインディッシュとしてはもちろん、特別なおもてなしの席にもぴったりの、心温まる極上の和食レシピです。
【ワタナベマキさんのレシピ】大根と豚のとろとろ塩角煮の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings15
minutes1
hour15
minutes480
kcal90
minutes料理家・ワタナベマキさんの手掛ける、醤油を使わずにあっさりと仕上げた「大根と豚のとろとろ塩角煮」のレシピをご紹介します。
材料
豚バラ肉(塊) 400g
大根 1/2本(500g)
昆布(3cm四方) 1枚
ねぎ(5cm長さに切る) 1本分
しょうが(皮付きのまま薄切り) 1かけ分
すだち(輪切り) 適宜
ごま油 小さじ1
酒 カップ1/2
みりん カップ1/4
塩 小さじ1
水 カップ3
作り方
- 大根は皮をむき、2cm厚さの半月形に切る。豚肉は2等分に切る。
- 沸騰した湯に大根を入れ、軽く透き通るまで5分間ほどゆで、ざるに上げる(湯はとっておく)。
- 2 の湯に豚肉を入れ、中火で8分間煮たら取り出し、軽く水けを拭く。
- ポイント
- 下ゆですることで、豚肉のくせが取れる。
- 鍋にごま油小さじ1を中火で熱し、 3 の豚肉を入れ、表面に焼き色がつくまで焼く。
- ポイント
- 焼いて肉に香ばしさをプラスする。
- 4 に水カップ3、酒・みりん各カップ1/2、昆布、ねぎ、しょうがを加え、アクを取りながらひと煮立ちさせる。
- ふたをして、弱めの中火で約30分間煮る。 2 の大根、塩小さじ1を加え、ふたをして30分間煮る。肉を食べやすい大きさに切り、大根、ねぎとともに器に盛る。好みですだちを添える。
メモ
- ワタナベマキさんのレシピ (大根と豚のとろとろ塩角煮)
大根と豚のとろとろ塩角煮を美味しく作る3つの極意
丁寧な下ゆでで豚バラ肉のくせを取り除く
このレシピの重要なポイントは、大根と豚肉を煮込む前に下ゆでを行うことです。まず大根を軽く透き通るまで5分間ほどゆで、そのお湯を捨てずにそのまま豚肉を中火で8分間ゆでます。このひと手間で、豚バラ肉特有のくさみや余分な脂、アクがしっかりと抜け、仕上がりのスープが澄んだ美しい味になります。
大根をゆでたお湯には大根の甘みもわずかに溶け出しており、肉の臭み消しにも一役買います。すっきりと上品な塩角煮に仕上げるための欠かせないプロセスです。
ごま油で香ばしい焼き色をつける
下ゆでした豚バラ肉は、煮込む前に鍋でごま油(小さじ1)を熱し、表面にしっかりと焼き色がつくまで焼くのがポイントです。この工程により、肉の表面がコーティングされて旨みが逃げにくくなるだけでなく、肉に香ばしさがプラスされます。
さらに、ごま油の豊かな風味が豚肉に移ることで、塩ベースのシンプルな味付けに奥行きとコクが生まれます。下ゆで後に軽く水けを拭き取ってから焼くことで、油はねを防ぎ、綺麗な焼き色をつけることができます。
2段階の煮込みで具材に味を含ませる
煮込みの工程を2段階に分けることも、美味しく仕上げるための極意です。最初は豚肉と昆布、ねぎ、しょうが、酒、みりんなどを加えて弱めの中火で30分間煮込み、ベースとなるスープの旨みをしっかりと構築します。その後、下ゆでした大根と塩(小さじ1)を加え、さらにふたをして30分間煮込みます。
大根を後から入れることで、大根が煮崩れすることなく、絶妙な食感を保ちながら豚肉の旨みと塩味をたっぷりと吸い込みます。ゆっくりと時間をかけて煮込むことで、とろとろの食感に仕上がります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
ワタナベマキさんの「大根と豚のとろとろ塩角煮」は、塩ベースで豚肉の旨みと昆布の出汁をストレートに味わう一品であり、最後にすだちを添えるため、柑橘の爽やかさにも調和する飲み物がぴったりです。ワインを合わせるなら、酸味とミネラル感が豊かな辛口の白ワインがおすすめです。
特に、フランス・ロワール地方の「サンセール」や、ニュージーランド産の「ソーヴィニヨン・ブラン」は、ワイン自体が持つ柑橘系の香りがすだちの風味と見事にリンクし、豚バラ肉の脂をさっぱりと洗い流してくれます。また、日本酒を合わせる場合は、昆布の旨みと同調する「純米吟醸酒」が最適です。
少し冷やして提供することで、すっきりとした塩味のスープの輪郭を引き立て、豚肉のまろやかな甘みをより一層深く味わうことができます。和食の繊細な風味を邪魔しない、爽やかでキレのあるお酒を選ぶのがポイントです。
保存テクニックと温め直し方
残った塩角煮は、粗熱をしっかりと取ってから清潔な保存容器に移し、冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存での日持ちは約2〜3日が目安です。一晩置くことで大根や豚肉にさらに味が染み込み、できたてとはまた違った奥深い美味しさを楽しむことができます。
温め直す際は、鍋に移して弱火でじっくりと加熱するか、電子レンジで様子を見ながら温めてください。なお、大根は冷凍すると水分が抜けてすが入ったように食感が変わってしまうため、美味しさを保つためには冷凍保存は避け、冷蔵保存のうちに食べ切ることをおすすめします。
このレシピのまとめと栄養のポイント
ワタナベマキさんの「大根と豚のとろとろ塩角煮」は、豚肉の旨み、昆布の深い出汁、そして大根の甘みを最大限に引き出す、極上の和食レシピです。甘辛い醤油味とは一線を画す、透き通った塩味のスープは、最後の一滴まで飲み干したくなるほどの美味しさです。
下ゆでとごま油での焼きという丁寧な下準備が、雑味のない洗練された味わいを実現しています。箸でスッと切れるほど柔らかい豚肉と、旨みをたっぷりと吸い込んだとろとろの大根の組み合わせは、まさに絶品。すだちをキュッと絞ることで、爽やかな香りと酸味が加わり、料亭のような上品な一皿に仕上がります。
日々の食卓を少し特別にしてくれる、心に染み渡る大満足のメインディッシュです。ぜひ、この丁寧な工程を楽しみながら作ってみてください。
