今回は、日本料理の名店を率いる田村隆さんの天ぷらレシピをご紹介します。天ぷらを自宅で揚げる際、どうしても衣がベチャッとしてしまったり、カラッと仕上がらなかったりとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
田村隆さんのレシピは、そんな家庭での天ぷら作りの悩みを解決してくれる、まさに目から鱗の技が詰まっています。一般的な天ぷらの常識である「衣はサックリ混ぜる」という方法を覆し、あえて「なめらかになるまでたたき混ぜる」という手法をとるのが最大の特徴です。
これにより、粉の粒子と水がしっかりと融合し、粉っぽさが残らず、驚くほどカラッと揚がります。さらに、油切れもよくなるため、時間が経っても美味しい天ぷらを楽しむことができます。具材には、定番のえびに加え、みょうが、オクラ、とうもろこしといった彩り豊かな夏野菜を使用しており、食卓を華やかに彩ってくれます。
材料の準備から衣の作り方、揚げ方に至るまで、一つ一つの工程に美味しさの理由が隠されています。ぜひこの機会に、プロの技が光る本格的な天ぷらをご自宅で再現し、サクサクの食感と素材の旨味を存分に味わってみてください。
【田村隆さんのレシピ】天ぷらの作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings20
minutes15
minutes280
kcal35
minutes今回は、日本料理の名店を率いる田村隆さんの天ぷらレシピをご紹介します。天ぷらを自宅で揚げる際、どうしても衣がベチャッとしてしまったり、カラッと仕上がらなかったりとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
材料
えび(無頭/殻付き) 8匹
みょうが 4コ
オクラ 8本
とうもろこし 1本
卵 1コ(使う直前まで冷蔵庫に入れておく。)
天つゆ 適量(万能つゆの素参照。)
酒 少々
小麦粉(使う直前まで冷蔵庫に入れておく。)
揚げ油
作り方
- えびは殻をむいて尾と背ワタを取り、酒少々をふってブツ切りにする。みょうがは縦半分に切ってせん切りにし、長さを半分に切る。
- オクラはヘタを取り、堅いガクの部分をグルリとむいて縦に切り目を入れる。とうもろこしはラップに包み、電子レンジ(600W)に2分30秒間かけて長さを半分に切る。縦に置いて包丁で実をこそげ取る。
- 衣をつくる。ボウルに冷水カップ1を入れ、卵を割り入れて菜ばしでよく混ぜ、「卵水(たまみず)」をつくる。白く泡立つので、泡をすくい取る。
- ポイント
- 水の中に卵を入れて合わせた「卵水」の段階でよくかき混ぜて、卵と水をなじませておくと、小麦粉を加えたあとにできる粘り物質(グルテン)を最小限に抑えられる。浮いた泡は粘りや焦げのもとになるので取り除く。
- 3 に小麦粉カップ1弱を加え、泡立て器でボウルの底をたたくようにして、なめらかになるまで混ぜる。
- ポイント
- 小麦粉を加えたら泡立て器に持ちかえ、8の字を描くようにして小刻みにたたき混ぜる。「サックリ混ぜる」が定説だが、なめらかにたたき混ぜて粉の粒子と水を融合させることで、粉っぽくならずカラッと揚がり、油ぎれもよくなる。
- 1 を合わせて別のボウルに入れ、小麦粉大さじ1をふって全体をまんべんなく混ぜる。 4 の衣の半量を加えてよくなじませる。
- 揚げ鍋に揚げ油を3cm深さまで入れて火にかける。170~175℃になったら(衣を少し落とすと油の中ほどまで沈んですぐ浮き上がるくらい)スプーンで 5 の1/4量をすくい取り、揚げ鍋の縁に沿わせるようにして静かに入れる。菜箸で形づくりながら約1分間、上下を返して30秒間、カラッと揚げる。残りも同様に揚げ、揚げ台(バットに揚げ網を敷く)に重なり合わないように並べる。
- ポイント
- 揚げ油を熱したら、揚げ鍋の縁に沿わせるようにして静かにタネを入れる。ゆっくりとスプーンを離し、菜箸でまとめるようにして形づくる。一度に入れる量は油の表面積の1/3~1/2にとどめ、適温を保つ。 最初大きかった泡が小さくなり、箸先にチリチリとした振動が伝わってきたら揚げ上がり。すかさず揚げ台に重ならないように並べていく。途中、揚げ玉をこまめにすくい取りながら揚げていく。
- 残った衣にオクラをサッとくぐらせて、同様にして揚げる。さらに 5 の要領でとうもろこしに残った衣を加え、1/4量ずつまとめながら揚げる。
- 6 、 7 を器に盛り、天つゆを添える。
メモ
- 田村隆さんのレシピ (天ぷら)
天ぷらを美味しく作る3つの極意
「卵水」をしっかり混ぜて泡を取り除く
衣を作る際の最初のステップである「卵水(たまみず)」の作り方が、仕上がりを大きく左右します。冷水に卵を加えたら、菜箸でよく混ぜ合わせ、卵と水をしっかりとなじませておくことが重要です。この段階でしっかり混ぜることで、後から小麦粉を加えた際に発生する粘り成分(グルテン)を最小限に抑えることができます。
また、混ぜた後に表面に白く浮いてくる泡は、衣の粘りや揚げた際の焦げの原因となるため、必ず丁寧に取り除いてください。このひと手間が、サクサクとした軽い食感の天ぷらを生み出す第一歩となります。
衣はなめらかになるまでたたき混ぜる
一般的な天ぷらの作り方では「衣は粘りを出さないようにサックリ混ぜる」のが定説とされていますが、このレシピでは全く逆のアプローチをとります。小麦粉を加えたら泡立て器に持ち替え、ボウルの底をたたくようにして、8の字を描きながら小刻みにたたき混ぜます。
なめらかになるまでしっかりと混ぜ合わせることで、粉の粒子と水が完全に融合します。この手法により、揚げた際に粉っぽくならず、驚くほどカラッと揚がり、さらには油切れも良くなります。小麦粉と卵は使う直前まで冷蔵庫で冷やしておくことも忘れないでください。
揚げ鍋の縁に沿わせて入れ適温を保つ
揚げ油が170~175℃の適温(衣を少し落とすと油の中ほどまで沈んですぐ浮き上がる状態)になったらタネを入れますが、この時の入れ方にもコツがあります。スプーンですくったタネを、揚げ鍋の縁に沿わせるようにして静かに入れ、ゆっくりとスプーンを離して菜箸でまとめるように形作ります。
一度に揚げる量は油の表面積の1/3から1/2にとどめることで、油の温度低下を防ぎ、適温を保つことができます。最初大きかった泡が小さくなり、箸先にチリチリとした振動が伝わってきたら揚げ上がりのサインです。こまめに揚げ玉をすくい取ることも美しい仕上がりのために欠かせません。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
サクサクとした軽い食感と、えびの旨味、そしてみょうがやとうもろこしといった夏野菜の甘みやほろ苦さが引き立つ田村隆さんの天ぷらには、キリッと冷えた辛口の白ワインや、爽快感のあるスパークリングワインが絶妙にマッチします。特におすすめしたいのが、フランス・シャブリ地方の「シャブリ」です。
シャルドネ種から造られるこのワインは、キレのある酸味と豊かなミネラル感が特徴で、天ぷらの油分をすっきりと洗い流し、えびの甘みを一層引き立ててくれます。また、野菜の青々しい風味には、ニュージーランド産の「ソーヴィニヨン・ブラン」もよく合います。
柑橘系の爽やかな香りが、みょうがの爽快な風味やオクラの味わいと美しく調和し、食欲をそそります。和食の繊細な味わいを損なわないよう、樽香が強すぎないスッキリとしたタイプのワインを選ぶのがポイントです。週末のディナーに、揚げたての天ぷらと冷えたワインを合わせて、贅沢なひとときをお楽しみください。
保存テクニックと温め直し方
天ぷらは揚げたてが一番美味しいですが、どうしても余ってしまった場合は、正しい保存方法で美味しさを保ちましょう。粗熱が完全に取れたら、密閉容器に入れるか、一つずつラップでふんわりと包んで冷蔵庫で保存します。保存期間は翌日までを目安にしてください。
温め直す際は、電子レンジで軽く温めた後、オーブントースターや魚焼きグリルで表面がカリッとするまで焼くと、揚げたてに近いサクサク感が復活します。焦げやすいので、アルミホイルを軽く被せて加熱するのがおすすめです。
また、余った天ぷらは天丼の具にしたり、うどんやそばに乗せたり、めんつゆで軽く煮て卵とじにするなど、アレンジして楽しむのもおすすめです。
このレシピのまとめと栄養のポイント
田村隆さん直伝の天ぷらは、家庭で専門店のようなサクサクの食感を実現できる画期的なレシピです。「衣はサックリ混ぜる」という常識を覆し、「なめらかになるまでたたき混ぜる」という独自の手法を取り入れることで、粉っぽさをなくし、驚くほどカラッと揚がる仕上がりを実現しています。
えびのプリプリとした食感に加え、みょうがの爽やかな香り、オクラの彩り、とうもろこしの甘みといった、個性豊かな具材が一つになり、一口食べるごとに異なる味わいを楽しむことができます。
卵水の段階でしっかり混ぜて泡を取る、一度に揚げる量は油の表面積の半分までにするなど、細部にまでこだわったプロの技が詰まっています。このレシピ通りに丁寧に作れば、これまで天ぷらが苦手だった方でも、きっと自信作となるはずです。
家族の集まりや特別なお祝いの席など、食卓を華やかに彩るメインディッシュとして、ぜひ挑戦していただきたい一品です。
