和食の基本中の基本であり、料理の味を決定づけると言っても過言ではない「一番だし」。今回は、日本料理界を牽引する村田吉弘さんのレシピ「おいしい一番だしのとり方」をご紹介します。ご家庭で本格的な和食を作りたいと考えたとき、やはり避けて通れないのが丁寧なだしの抽出です。
市販の顆粒だしも便利ですが、昆布と削り節からじっくりとひいた一番だしの豊かな香りと上品なうまみは、どんな料理も格別な一皿へと昇華させてくれます。このレシピでは、水1.8リットルに対して昆布30g、削り節50gという非常に贅沢な材料の比率を使用します。
温度管理やタイミングなど、ほんの少しの気配りを徹底するだけで、驚くほど透明感のある美しい琥珀色のだしを取ることができます。和食の奥深さをダイレクトに体験できる、村田吉弘さん直伝の本格的な一番だし。
ぜひこの機会に基本の技術をマスターして、いつものお味噌汁や煮物、お吸い物、そして茶碗蒸しなどをワンランク上の極上の味わいに仕上げてみてください。毎日の料理がさらに楽しくなるはずです。
【村田吉弘さんのレシピ】おいしい一番だしのとり方の作り方
Course: スープCuisine: 和食8
servings5
minutes1
hour9
kcal65
minutes和食の基本中の基本であり、料理の味を決定づけると言っても過言ではない「一番だし」。今回は、日本料理界を牽引する村田吉弘さんのレシピ「おいしい一番だしのとり方」をご紹介します。ご家庭で本格的な和食を作りたいと考えたとき、やはり避けて通れないのが丁寧なだしの抽出です。
材料
水 1.8リットル
昆布 30g
削り節(かつお) 50g
作り方
- 昆布は堅く絞ったぬれぶきんで表面を軽くふく。
- 鍋に分量の水と昆布を入れて弱火にかけ、ゆっくりと温度を上げる。60℃(指を入れてみて、熱くてつけていられないくらい)に温度を保ちながら、30分~1時間かけて煮出し、昆布を取り出す(昆布だし)。
- ポイント
- 温度が80℃以上になると、昆布のうまみが出ず、逆に生臭さや雑味が出てしまう。
- 85℃(表面がゆっくり動く程度)まで温度を上げたら火を止めて、削り節を一度に加える。
- 削り節が沈んだら、紙タオルなどを敷いたざるでこして、ボウルに受ける。
- ポイント
- ざるに残った削り節を押したり絞ったりすると、だしの色が濁り、えぐみなども出てしまうので、力を加えず自然に汁けがきれるのを待つ。
- でき上がり。冷蔵庫で2~3日間は保存できる。また、製氷器で凍らせ、ブロックに割ってジッパー付きポリ袋に入れてもよい。冷凍庫で約1か月間保存可能。
メモ
- 村田吉弘さんのレシピ (おいしい一番だしのとり方)
おいしい一番だしのとり方を美味しく作る3つの極意
昆布は60℃を保ちじっくりとうまみを引き出す
昆布のうまみ成分であるグルタミン酸を最大限に引き出すための極意は、徹底した温度管理にあります。このレシピのポイントは、鍋に水と昆布を入れたら弱火にかけ、ゆっくりと温度を上げることです。
60℃(指を入れてみて熱くてつけていられないくらいの温度)を保ちながら、30分から1時間かけてじっくりと煮出すことで、昆布の深い味わいが抽出されます。逆に80℃以上になってしまうと、昆布特有の生臭さや雑味、ぬめりが出てしまい、だしの繊細な風味を損ねてしまうため注意が必要です。
温度計を使うとより確実です。
削り節は85℃で火を止めてから加える
昆布を取り出した後、削り節(かつお)を加える際の温度も非常に重要です。レシピにある通り、85℃(表面がゆっくり動く程度)まで温度を上げたら、必ず火を止めてから削り節を一度に加えます。沸騰したお湯でグラグラと煮立ててしまうと、削り節の豊かな香りが飛んでしまい、えぐみが出やすくなります。
火を止めて適温で静かに加えることで、かつお本来の上品な香りとイノシン酸のうまみだけをクリアに抽出することができます。削り節が自然に沈むのをじっくりと待つのが正しい手順となります。
こす時は絶対に絞らず、自然に濾過する
削り節が鍋の底に沈んだら、紙タオルなどを敷いたざるでこしてボウルに受けますが、ここでの最大のポイントは「力を加えず自然に汁けがきれるのを待つ」ことです。
最後の一滴までだしを取りたくなり、ついざるに残った削り節をお玉や菜箸で押したり絞ったりしてしまいがちですが、これを行うとだしの色が濁り、えぐみや渋みなどの雑味まで一緒に絞り出されてしまいます。
美しく透き通った雑味のない上品な一番だしに仕上げるためには、じっと我慢して自然に濾されるのを待つことが何よりも大切です。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
丁寧にひいた村田吉弘さんの美味しい一番だしは、それ自体が完成された極上のスープとも言えます。この一番だしをベースにしたお吸い物や茶碗蒸しには、素材の味を邪魔しないスッキリとした味わいの日本酒、特に大吟醸酒や吟醸酒が非常によく合います。
ワインを合わせる場合は、樽香の少ないクリーンなスタイルの白ワイン、例えばフランスのシャブリ(シャルドネ)や、ミネラル感の豊かな日本の甲州ワインなどが素晴らしいマリアージュを生み出します。だしの繊細なうまみ成分は、ワインの持つミネラル感と同調し、和食の風味をさらに引き立ててくれます。
ぜひ、だしを主役にした料理と上質なワインや日本酒のペアリングをお楽しみください。ゆったりとした食事の時間がより豊かなものになるはずです。
保存テクニックと温め直し方
一番だしは非常に繊細で香りが風味が飛びやすいため、抽出後はできるだけ早めに使い切るのが理想ですが、もちろん保存も可能です。粗熱が完全に取れたら清潔な密閉容器に移し、冷蔵庫で2~3日間は保存することができます。さらに長期間保存したい場合は、製氷器に流し込んで凍らせるのがおすすめです。
ブロック状に凍っただしを型から外し、ジッパー付きのポリ袋に入れて冷凍庫で保存すれば、約1か月間保存可能になります。お味噌汁など、必要な分だけポンと鍋に入れられるので大変便利です。
このレシピのまとめと栄養のポイント
村田吉弘さんのレシピによる「おいしい一番だしのとり方」はいかがでしたでしょうか。水、昆布、削り節というわずか3つのシンプルな材料だからこそ、緻密な温度管理と抽出のタイミングが仕上がりを大きく左右します。
60℃でじっくりと昆布のうまみを引き出し、85℃で削り節の華やかな香りを閉じ込め、最後に決して絞らずにこすという一連の工程は、日本料理の繊細さと美意識そのものを表しています。
最初は温度感覚をつかむのが少し難しく感じるかもしれませんが、一度この透き通った琥珀色の一番だしを味わえば、その格別な美味しさに感動すること間違いありません。毎日の食卓に上質な和の香りを取り入れ、お料理の腕をさらに一段階アップさせてみてください。丁寧にとった一番だしは、必ず料理を美味しくしてくれます。
