今回は、日本料理界を牽引する料理人・村田吉弘さんのレシピをご紹介します。お正月やお祝いの席に欠かせない伝統的な和食の定番「煮しめ」です。
干ししいたけ、里芋、こんにゃく、れんこん、にんじん、生麩、絹さやといった彩り豊かな食材を使い、それぞれの持ち味を引き出しながら丁寧に仕上げる本格的な一品となっています。
村田吉弘さん直伝のレシピでは、里芋の下茹でに米ぬかを使用したり、にんじんを「日の出」にんじんとして美しく切り出したりと、細部にまでこだわりが詰まっています。また、生麩を一度揚げてから煮含めるなど、食感や見た目をより一層楽しむための工夫が盛り込まれています。
素材の下ごしらえから火加減、盛り付けに至るまで、プロの技をそのままご自宅で再現できるようになっています。じっくりと時間をかけて煮上げることで、煮汁の旨味がそれぞれの具材にしみ込み、噛みしめるほどに奥深い味わいが広がります。特別な日の食卓を華やかに彩る、心温まる絶品の煮しめをぜひ作ってみてください。
【村田吉弘さんのレシピ】煮しめの作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings40
minutes35
minutes210
kcal75
minutes今回は、日本料理界を牽引する料理人・村田吉弘さんのレシピをご紹介します。お正月やお祝いの席に欠かせない伝統的な和食の定番「煮しめ」です。
材料
干ししいたけ(乾) 30g
里芋 200g
米ぬか 一つかみ
こんにゃく 1/2枚
れんこん 150g
にんじん 100g
生麩 1/2本
絹さや 12枚
塩
酢
サラダ油
揚げ油
【煮汁】
だし カップ2+1/2
砂糖 大さじ1+2/3
みりん 大さじ2
うす口しょうゆ 大さじ2+1/2
【生麩の煮汁】
だし 180ml
みりん 大さじ2
うす口しょうゆ 大さじ1+1/3
作り方
- 干ししいたけは、ヒタヒタの水につけて戻し、軸を除く。
- 里芋は泥を洗い落とし、水けをふく。天地を切り落とし、皮を六面にむく。
- ポイント
- 天地を切って高さをそろえると、重詰めのとききれい。六面むきは、上からみると亀甲の形で、長寿のかめにあやかり、めでたい。
- 米ぬかをさらしで包む。鍋にたっぷりの水を入れ、さらしを浸してもんでおく。里芋をボウルに入れ、塩少々を加えてもみ、水で洗ってぬめりを取る。ぬかをもんだ鍋に里芋を入れて火にかける。竹ぐしが通るまでゆでたら、鍋ごと流水にさらす。鍋の水をかえて再び火にかけ、沸騰したら里芋を取り出す。
- ポイント
- 米ぬかをもんだ水や米のとぎ汁でゆでると、里芋の色が白くなるとともに、中は柔らかく、表面は煮くずれしない。きれいな水でもう一度ゆで、ぬか臭さを取る。
- こんにゃくは5mm厚さに切り、真ん中に切り目を入れて端をくぐらせ、手綱にする。
- 熱湯でゆでて、アクと臭みをぬく。
- れんこんは皮をむいて、1cm厚さの半月形に切る。酢水につけてアクをぬき、水けをきる。
- にんじんは皮をむき、7~8mm厚さに切る。
- ポイント
- にんじんは、縦方向ではなく、かつらむきにするように皮をむくと、形が丸くきれいになる。こうしてきれいな丸になったものを「日の出」にんじんといって、おめでたいときに用いる。
- 大きめの鍋に、 1 、 3 、 5 、 6 、 7 を入れ、【煮汁】の材料を加える。落としぶたをして強火にかけ、【煮汁】がほぼなくなるまで煮る。
- 生麩は1.5cmほどの厚さに切り、サラダ油少々をまぶす。
- ポイント
- 生麩は、一度冷凍し、半解凍の状態にすると切りやすい。また、油をまぶすとくっつかない。
- 9 を180℃に熱した揚げ油に入れ、きつね色になるまで揚げる。
- ポイント
- 生麩は、低温の油で揚げると、途中でふくらんでしまい、その後しぼんで形がくずれてしまうので注意する。また、くっつかないように、少量ずつ油に入れるとよい。
- 10 を【生麩の煮汁】とともに小鍋に入れ、煮含める。
- 絹さやは筋を除き、塩少々を入れた熱湯で色よくゆでる。盛りつけたときに映えるように、端を切って長さをそろえる。
- 8 、 11 を器に盛り、 12 の絹さやをあしらう。
メモ
- 村田吉弘さんのレシピ (煮しめ)
煮しめを美味しく作る3つの極意
米ぬかを使った里芋の下茹でで白く柔らかく
このレシピのポイントは、里芋をボウルで塩もみしてぬめりを取ったあと、さらしで包んだ米ぬかを入れた鍋でしっかりと竹ぐしが通るまでゆでることです。米ぬかをもんだ水や米のとぎ汁でゆでることで、里芋の色が白く仕上がるとともに、中は柔らかく、表面は煮くずれしないという優れた効果が生まれます。
その後、鍋ごと流水にさらしてからきれいな水でもう一度ゆでることで、ぬか臭さをしっかりと取り除き、上品で口当たりの良い里芋に仕上げることができます。
にんじんはかつらむきにして美しい日の出にんじんに
このレシピのポイントは、にんじんを縦方向ではなく、かつらむきにするように皮をむき、7から8ミリ厚さに切ることです。こうしてきれいに丸く切り出したものは「日の出」にんじんと呼ばれ、おめでたい席やハレの日の料理にふさわしい美しい見た目を演出することができます。
形を美しくそろえることで、重詰めに盛り付けたときや器に盛り付けたときにパッと華やかになり、食卓全体の雰囲気を一層引き立てる大切な工程となっています。
生麩は油をまぶして適温の揚げ油で香ばしく揚げる
このレシピのポイントは、生麩を1.5センチほどの厚さに切ったあと、サラダ油少々をまぶして180度の揚げ油できつね色になるまで揚げることです。生麩は一度冷凍し、半解凍の状態にすると切りやすくなり、さらに油をまぶすことでくっつきにくくなります。
低温の油で揚げると途中でふくらんでしまい、その後しぼんで形がくずれてしまうため、180度の高温で少量ずつ油に入れてきつね色に揚げるのがコツです。揚げた後は生麩の煮汁とともに小鍋で煮含めることで、モチモチとした食感と煮汁の旨味がしっかりと調和します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
煮しめには、すっきりとキレの良い日本酒や、冷やした純米酒が非常によく合います。干ししいたけや根菜類からじっくりと引き出された奥深い旨味や、優しい甘みのある煮汁の味わいを、日本酒の持つクリーンな酸味と米の旨味が心地よく引き立ててくれます。
また、食事中のお口直しとしても日本酒は最適で、それぞれの具材の持ち味をより一層引き立ててくれる最高の組み合わせとなります。
保存テクニックと温め直し方
作った煮しめを保存する場合は、清潔な保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存してください。具材ごとに味がしみ込んでいきますが、傷みを防ぐためにしっかりと粗熱を取ってから密閉容器に入れることが大切です。お召し上がりの際は、食べる分だけ取り出して温め直してください。
長期間保存したい場合は、汁気をきって冷凍保存可能な容器やジッパー付き保存袋に入れて冷凍することも可能です。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、村田吉弘さん直伝の本格的な「煮しめ」の作り方をご紹介しました。干ししいたけ、里芋、こんにゃく、れんこん、にんじん、生麩、絹さยวといったバラエティ豊かな食材を使い、それぞれの素材に適した下ごしらえと火入れを行うことで、格別の美味しさに仕上がります。
里芋を米ぬかでゆでて白く柔らかく仕上げる技や、にんじんを「日の出」にんじんとして丸く美しく切り出す手法、そして生麩を油で揚げてから煮含める丁寧なプロセスなど、和食の知恵とこだわりがたっぷりと詰まっています。
じっくりと煮汁がなくなるまで煮含めた具材は、噛みしめるほどに旨味が口いっぱいに広がり、お正月やお祝いの席はもちろん、特別な日の食卓を間違いなく盛り上げてくれます。ぜひ今回のレシピを参考に、ご自宅で本格的な和食の味わいに挑戦してみてください。
