春の訪れを告げるほろ苦い山菜、ふきのとう。今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんのレシピをご紹介します。ふきのとう特有の爽やかな香りと心地よい苦味を最大限に引き出す、まさに土井善晴さん直伝の本格的な天ぷらレシピです。
山菜の下処理というと少しハードルが高く感じるかもしれませんが、このレシピでは固く絞ったぬれ布巾で優しく拭き取るだけというシンプルな方法を採用しています。また、衣の作り方や揚げ油の量など、ご家庭のキッチンで失敗なく美味しく作れる工夫が随所に散りばめられています。
フライパンに1cmの油を敷くだけでサクッと香ばしく揚がるため、天ぷら鍋を出す手間も省け、後片付けも簡単です。卵と冷水を合わせた卵水を使ったサックリとした衣が、ふきのとうの繊細な風味を優しく包み込みます。揚げたてにパラリと塩を振って口に運べば、春の息吹を存分に味わうことができるでしょう。
旬の時期にぜひご家庭でお試しいただきたい、基本にして至高のレシピをご堪能ください。
【土井善晴さんのレシピ】ふきのとうの天ぷらの作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食2
servings10
minutes10
minutes218
kcal20
minutes春の訪れを告げるほろ苦い山菜、ふきのとう。今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんのレシピをご紹介します。ふきのとう特有の爽やかな香りと心地よい苦味を最大限に引き出す、まさに土井善晴さん直伝の本格的な天ぷらレシピです。
材料
ふきのとう 100g
揚げ油
小麦粉
塩 適量
【衣】
卵水(卵1コと冷水を合わせて) カップ1/2
小麦粉(ふるう) 50g
作り方
- ふきのとうは、根元の黒ずんだ部分を切り取り、茶色くなっている外葉を外す。
- ポイント
- 固く絞ったぬれ布巾で、表面をはたくように掃除する。
- 【衣】をつくる。ボウルに卵水を入れて混ぜ、小麦粉を加えて泡立て器でサックリと混ぜる。
- ポイント
- 粉けがなくなればよい。
- フライパン(直径20cm)に揚げ油を1cm深さまで入れ、菜箸を入れて箸先から小さな泡が出るくらいに温める。
- ふきのとうに小麦粉を軽くまぶして、 2 の【衣】をつけ、 3 の油に入れてこんがりと揚げる。
- 【衣】がサクッと揚がったら網じゃくしで引き上げ、油をよくきる。器に盛り、塩をふって食べる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (ふきのとうの天ぷら)
ふきのとうの天ぷらを美味しく作る3つの極意
ぬれ布巾を使った丁寧な下処理
ふきのとうの下処理は、根元の黒ずんだ部分を切り落とし、茶色く変色した外葉を丁寧に取り除くことが第一歩です。ここでの最大のポイントは、水洗いを避け、固く絞ったぬれ布巾を使って表面を優しくはたくように掃除することです。
ふきのとうは香りが命の山菜であり、水に長く晒すとせっかくの繊細な風味や春らしいほろ苦さが逃げてしまいます。布巾で優しく拭い去ることで、土などの汚れをしっかりと落としつつ、ふきのとう本来の力強い香りをそのまま閉じ込めることができます。このひと手間が、仕上がりの品格を大きく左右します。
粉けがなくなる程度のサックリとした衣作り
サクサクの軽い天ぷらに仕上げるための衣作りには、明確なコツがあります。まず、ボウルに卵と冷水を合わせた卵水を用意し、そこにふるった小麦粉を加えます。この時、泡立て器を使って「粉けがなくなればよい」という感覚で、サックリと軽く混ぜ合わせることが重要です。
決して粘りが出るまで練るように混ぜてはいけません。小麦粉のグルテンが形成されてしまうと、揚げ上がりの衣が重く、べちゃっとした食感になってしまいます。少しダマが残っている程度で混ぜるのをやめる勇気が、プロのようなサクッとした軽やかな衣を生み出す秘訣となります。
フライパンと少ない油で手軽にサクッと揚げる
天ぷらと聞くとたっぷりの油が必要に思えますが、このレシピでは直径20センチのフライパンに対して、わずか1センチの深さの油しか使用しません。菜箸を油に入れ、箸先から小さな泡がシュワシュワと静かに上がる状態が、揚げるのに最適な温度のサインです。
ふきのとうに薄く小麦粉をまぶしてから衣をくぐらせ、この適温の油に入れることで、少ない油でもこんがりと香ばしく揚げることができます。衣がサクッと色づいたら網じゃくしで素早く引き上げ、しっかりと油をきります。少量の油を使うことで温度管理がしやすく、家庭でも失敗せずにカラッと仕上げることが可能です。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
ふきのとうの天ぷらが持つ、春らしい鮮烈な青い香りと心地よいほろ苦さには、爽やかでミネラル感のある白ワインが非常によく合います。特におすすめしたいのが、ニュージーランド産のマールボロ地方で作られるソーヴィニヨン・ブランです。
グラスから立ち昇るハーブや青草、柑橘系のフレッシュなアロマが、ふきのとうの持つ植物的な香りと見事に同調し、味わいの輪郭をよりくっきりと際立たせます。また、和食の定番として、キリッと冷やした辛口の日本酒(吟醸酒や純米吟醸酒)も間違いのない組み合わせです。
揚げたてのサクッとした衣と、塩だけのシンプルな味付けが、お酒の持つ米の旨味やフルーティーな吟醸香を美しく引き立て、春の食卓を一層華やかに演出してくれます。
保存テクニックと温め直し方
天ぷらは揚げたてのサクサクとした食感を楽しむのが最も美味しい食べ方ですが、どうしても余ってしまった場合は適切な保存方法が必要です。粗熱が完全に取れたら、キッチンペーパーを敷いた密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存してください。保存期間は翌日までを目安にします。
温め直す際は、電子レンジの使用は衣がべちゃっとなるため避け、オーブントースターや魚焼きグリルを使用してください。アルミホイルを軽くかぶせて数分加熱することで、水分が飛び、衣のサクサクとした食感がある程度復活し、美味しくお召し上がりいただけます。
このレシピのまとめと栄養のポイント
春の訪れを感じさせる代表的な山菜、ふきのとうを使った土井善晴さんの本格天ぷらレシピをご紹介しました。このレシピの魅力は、何といっても家庭で無理なく作れる手軽さと、素材の味を最大限に引き出す論理的な手順にあります。
香りを逃がさないためのぬれ布巾を使った下処理から始まり、グルテンを出さないようにサックリと混ぜる冷たい衣作り、そしてフライパンとわずか1センチの油で揚げる効率的な調理法まで、全ての工程に美味しさの理由が詰まっています。
揚げたてにシンプルに塩を振っていただくふきのとうの天ぷらは、外はサクッと、中はほろ苦く、まさに春の風情を味わえる一品です。特別な道具を使わずに、どなたでも美味しく作れる工夫が凝らされた土井善晴さんのレシピを、旬の時期にぜひお試しください。
