今回は、日本を代表する料理研究家、土井善晴さんの「丸鶏スープ」のレシピをご紹介します。特別な日の食卓や、滋味深い味わいを心ゆくまで堪能したい時にぴったりの、丸ごと一羽の若鶏を使った本格的なスープです。
一見するとハードルが高く感じる丸鶏の調理ですが、土井善晴さんのレシピの手順に沿って丁寧に下ごしらえをすれば、ご家庭でも驚くほど美しく澄んだスープを作ることができます。
鶏肉のうまみを最大限に引き出すための事前の塩打ちや、煮干し、干ししいたけ、干しえび、昆布といった豊かな乾物類を組み合わせることで、奥深く複雑な味わいがスープに溶け出します。じっくりと時間をかけて弱火で煮出したスープは、一口飲めば心も体もじんわりと温まる、極上の仕上がりです。
だしを取った後の鶏肉も、しっとりと塩味がきいており、余すところなく美味しくいただけるのがこのレシピの素晴らしいポイントです。ぜひ、丁寧な手仕事をそのままご家庭のキッチンで再現し、格別な一杯を味わってみてください。
【土井善晴さんのレシピ】丸鶏スープの作り方
Course: スープCuisine: 和食6
servings20
minutes50
minutes450
kcal70
minutes今回は、日本を代表する料理研究家、土井善晴さんの「丸鶏スープ」のレシピをご紹介します。特別な日の食卓や、滋味深い味わいを心ゆくまで堪能したい時にぴったりの、丸ごと一羽の若鶏を使った本格的なスープです。
材料
丸鶏(中抜き/若鶏) 1羽(1.2~1.3kg)(羽と頭、足先、内臓を除いた丸のままの鶏。精肉店で予約注文すれば用意してもらえる。)
煮干し 12~13匹
干ししいたけ 3枚
干しえび 20g
昆布(10cm四方) 1枚
ねぎ 1/2本
しょうが 1かけ(40g)
にんにく 2~3かけ
塩
作り方
- 煮干しは頭とワタを取り除く。しょうがはたたいてつぶす。丸鶏の重さを量り、その1%の塩を用意する。
- 丸鶏をボウルなどに入れ、 1 の塩を表面全体と腹の中にまんべんなくふり、1時間以上おく。
- ポイント
- 下に落ちた塩も残さずまぶす。丸鶏に塩をしておくことで、鶏のうまみを引き出せる。
- 丸鶏から出た水けを紙タオルで押さえる。
- 鍋(直径22cm)に丸鶏、煮干し、干ししいたけ、干しえび、昆布、ねぎ、しょうが、にんにくを入れ、水3リットルを加えて中~強火にかける。
- 煮立ったらアクを取り、静かに煮立つくらいの火加減になるよう徐々に火を弱めていき、50分間煮る。
- ポイント
- 煮ている間に出てくるアクもしっかり取り除くことで、きれいなスープになる。途中、強火で煮立てるとスープが濁るので、弱火で静かに煮る。
- 鍋から鶏を取り出し、紙タオルを重ねたざるでスープをこす。丸鶏スープの完成。
- ポイント
- ゆで鶏は、使うまで表面が乾かないようにラップをかけておくとよい。塩がしてあるので、肉もおいしく食べられる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (丸鶏スープ)
丸鶏スープを美味しく作る3つの極意
鶏の重量1%の塩でうまみを引き出す
このレシピの重要なポイントは、調理の前に丸鶏の重さを正確に計り、その1パーセントにあたる塩をすり込むことです。鶏の表面はもちろんのこと、お腹の中にもまんべんなく行き渡るように塩をふり、ボウルの下に落ちた塩も余さずまぶしつけます。
そのまま1時間以上しっかりと休ませることで、塩が鶏肉の内部までゆっくりと浸透し、鶏そのものが持つ濃厚なうまみを最大限に引き出すことができます。
この丁寧な下ごしらえが、後から加える乾物の出汁と結びついた際に、単なる鶏ガラスープとは一線を画す、圧倒的に深みのある極上の丸鶏スープへと昇華させる最大の秘訣となります。
弱火で静かに煮て澄んだスープに仕上げる
スープを美しく、そして雑味のない味わいに仕上げるための火加減も非常に重要です。鍋に材料と水3リットルを入れて中〜強火にかけ、煮立ってきたらまずは丁寧にアクを取り除きます。その後、強火のまま煮立ててしまうと、スープが白く濁ってしまう原因になります。
きれいに澄んだ黄金色のスープにするためには、表面が静かに煮立つ程度の火加減になるよう、徐々に火を弱めていくことが欠かせません。
この絶妙な弱火を保ちながら50分間じっくりと煮込むことで、鶏肉や煮干し、干ししいたけなどからゆっくりと旨味が抽出され、見た目も美しく、香り高い洗練された丸鶏スープが完成します。
だしを取った後のゆで鶏も美味しく活用
スープを取り終えた後の丸鶏も、決して捨てることなく絶品のゆで鶏として味わえるのがこのレシピの魅力です。鍋から取り出し、スープをこした後の鶏肉は、食べる時まで表面が乾燥しないようにしっかりとラップをかけて保湿しておくのが美味しく保つポイントです。
最初に重量の1パーセントの塩をしっかりとすり込んでいるため、お肉自体にも程よく塩気が浸透しており、そのまま切り分けて食べても驚くほどしっとりとして美味しくいただけます。
スープの豊かな香りをまとったホロホロの鶏肉は、そのままおかずとして楽しむことはもちろん、様々な料理の具材としても余すところなく楽しむことができます。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
土井善晴さんのレシピで作るこの丸鶏スープは、鶏のふくよかな旨みと乾物(煮干し、干ししいたけ、干しえび、昆布)の複雑な出汁が重なり合った、非常に奥深く繊細な味わいが特徴です。このような滋味深い和のスープには、果実味が強すぎず、ミネラル感のある上品な白ワインがよく合います。
例えば、フランスのブルゴーニュ地方で作られるシャルドネ種を使用した「シャブリ」は、そのスッキリとした酸味と豊かなミネラル感が、スープの繊細な風味を邪魔することなく、すっと寄り添ってくれます。
また、同じくフランスのロワール地方の「サンセール」なども、ハーブのような爽やかな香りがねぎやしょうがの風味と見事に調和します。ワイン以外であれば、すっきりと冷やした純米吟醸酒も、出汁の旨みと同調して素晴らしいマリアージュを楽しむことができます。
保存テクニックと温め直し方
完成した丸鶏スープは、しっかりと粗熱を取ってから保存容器に移し、冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存の目安は約2〜3日です。スープの表面に鶏の脂が固まることがありますが、旨み成分ですので温め直す際に一緒に火にかけて溶かしてお召し上がりください。
より長く保存したい場合は、1食分ずつ密閉できる保存袋や容器に入れて冷凍保存することも可能です。冷凍した場合は約1ヶ月ほど日持ちします。解凍する際は、冷蔵庫で自然解凍するか、鍋に移して直接弱火で温め直してください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、土井善晴さんのレシピである「丸鶏スープ」の作り方を詳しくご紹介しました。丸ごとの鶏肉を使うことでしか出せないダイナミックなうまみと、煮干しや干ししいたけなどの乾物が織りなす繊細な出汁が見事に融合した、まさに絶品の一杯です。
事前の塩打ちやアク取り、そして静かな弱火で50分間じっくりと煮込むという基本の手順を忠実に守ることで、驚くほど透明感のある美しいスープをご家庭で再現することができます。特別な日のご馳走としてはもちろん、体の中から温まりたい日にも最適なレシピです。
だしを取り終えた後のゆで鶏も、しっとりと柔らかくそのままメインのおかずになるという、一度の調理で二度美味しい一品。ぜひこの機会に、丁寧に時間をかけて作る丸鶏スープの奥深い味わいをご自身の舌で確かめてみてください。
