今回は、料理研究家である土井善晴さんのオリジナルレシピ「あじのこっくり煮」をご紹介します。このレシピは、小さめのアジをたっぷりのお酢とともにじっくりと時間をかけて煮込むことで、頭から骨まで余すことなく柔らかく食べられるように仕上げる伝統的かつ家庭的な和食の逸品です。
お酢の酸味は長い煮込み時間の間にまろやかになり、深みのある「こっくり」とした味わいへと変化します。魚の骨を外す手間がないため、小さなお子様からご年配の方まで安心して美味しく召し上がっていただけるお料理です。
初めに魚焼きグリルなどで香ばしく焼き色をつけてから煮ることで、魚特有の生臭さを抑え、旨味をしっかりと閉じ込める工夫が施されています。土井善晴さんならではの、素材の持ち味を最大限に引き出す丁寧な手仕事が光るレシピとなっており、毎日の食卓の主菜としてはもちろん、お酒のお供や常備菜としても大変重宝します。
その味わい深い作り方を詳しく見ていきましょう。
【土井善晴さんのレシピ】あじのこっくり煮の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings15
minutes1
hour40
minutes255
kcal115
minutes今回は、料理研究家である土井善晴さんのオリジナルレシピ「あじのこっくり煮」をご紹介します。このレシピは、小さめのアジをたっぷりのお酢とともにじっくりと時間をかけて煮込むことで、頭から骨まで余すことなく柔らかく食べられるように仕上げる伝統的かつ家庭的な和食の逸品です。
材料
あじ(小さめのもの) 8匹(1匹70~80g。ゼイゴと内臓を取り、水洗いして水けを拭く。)
赤とうがらし(小口切り) 小さじ1
【煮汁】
水 カップ1+1/2
酢 カップ1+1/2
酒 カップ1+1/2
しょうゆ 大さじ3
作り方
- 下処理したあじは、魚焼きグリルか焼き網で両面にこんがりと焼き色をつけ、広口の鍋かフライパンに並べる。
- ポイント
- 酢をたくさん使うので、酸に弱いアルミ製や鉄製は避け、ホーローやフッ素樹脂加工の鍋やフライパンで。
- 【煮汁】の水と酢、赤とうがらしを加えて中火にかけ、煮立ったらアクを取る。火を弱め、水でぬらした落としぶたをして約45分間煮る。
- ポイント
- 酢の作用で、頭や骨まで柔らかくなる。
- 酒としょうゆを加え、再び落としぶたをして約45分間煮る。
- 【煮汁】がほとんどなくなったら火を止め、粗熱を取りながら味を含ませる。
- ポイント
- 冷ます間に味がしみて、身もしまる。すぐ盛りつけようとすると、身がくずれてしまう。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (あじのこっくり煮)
あじのこっくり煮を美味しく作る3つの極意
酸に強い調理器具を選ぶ
このレシピでは、アジの骨を柔らかくするためにたっぷりの「酢」を使用します。そのため、調理に使用する鍋やフライパンの素材選びが非常に重要なポイントとなります。
酸に対して弱い性質を持っているアルミ製や鉄製の調理器具を使用してしまうと、お酢の成分によって鍋の表面が腐食したり、金属臭が料理に移って全体の風味が損なわれてしまったりする原因になります。そのため、必ず酸に強いホーロー製や、フッ素樹脂加工が施された鍋やフライパンを選択して調理を行ってください。
適切な道具を使用することが、料理を安全かつ美味しく仕上げるための第一歩となります。
香ばしく焼いてから弱火でじっくり煮込む
下処理を済ませたアジは、煮る前にまず魚焼きグリルや焼き網を使い、両面にこんがりとした焼き色がつくまでしっかりと焼き上げます。この工程により、アジの生臭さをしっかりと飛ばし、香ばしい風味をプラスすることができます。その後、広口の鍋に並べて水、酢、赤とうがらしを加え、沸騰したら丁寧にアクを取り除きます。
ここから水で濡らした落としぶたをして、弱火で約45分間という長い時間をかけてじっくりと煮込んでいきます。お酢の成分がじわじわとアジに作用することで、本来は硬くて食べられない頭や骨まで驚くほど柔らかく変化させることができます。
調味料を加えた後の煮込みと丁寧な冷却
最初の煮込みを終えたら、次に酒としゅうゆを加え、再び落としぶたをしてさらに約45分間じっくりと煮込んでいきます。合計で約90分間煮込むことになりますが、煮汁がほとんどなくなるまで煮詰めることで、アジに濃厚な旨味としみ込んだ調味料が「こっくり」とした絶妙な味わいを生み出します。
そして、火を止めた後の工程が最も重要です。すぐに盛り付けようとすると、アジの身が非常に柔らかくなっているため簡単に崩れてしまいます。鍋に入れたまま粗熱を取りながらゆっくりと冷ますことで、冷めていく過程で味が中心までしっかりと染み込み、同時に身が締まって崩れにくくなります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
「あじのこっくり煮」は、お酢のまろやかな酸味としょうゆのコク、そして赤とうがらしのピリッとした辛みが一体となった濃厚な味わいの和食です。これに合わせる飲み物としては、やはり日本の伝統的なお酒である日本酒が抜群の相性を誇ります。
特に、お米の旨味がしっかりと感じられる純米酒や、少し温めた生酛造りの燗酒などを合わせると、アジの脂の旨味とお酢のコクが日本酒のふくよかな味わいと調和し、口の中で素晴らしいマリアージュを堪能できます。
また、ワインを合わせる場合には、お酢の酸味と調和するようなしっかりとした酸味を持ちつつ、醤油の風味に負けないコクのある白ワインがおすすめです。具体的には、フランスのブルゴーニュ地方のシャルドネや、日本の甲州ワインなどがよく合います。
赤ワインであれば、渋みが控えめで軽やかなライトボディのピノ・ノワールなどが、お魚の繊細な風味を邪魔せずに引き立ててくれます。
保存テクニックと温め直し方
あじのこっくり煮は、お酢を多く使用してしっかりと煮詰め、さらに水分を飛ばして仕上げる料理であるため、非常に保存性に優れており、作り置きの常備菜として最適です。保存する際は、調理後に鍋の中で完全に粗熱が取れるまで待ってから、清潔な密閉容器に移し替えてください。
冷蔵庫で保存する場合の目安期間は約4日から5日程度です。日を追うごとにアジの身の中にまでさらに味が深く染み込んでいき、作った当日とはまた一味違った、よりまろやかで落ち着いた美味しさを楽しむことができます。
お弁当のおかずとして利用する際にも、冷めても身が締まっていて美味しく、骨がないため非常に食べやすくて便利です。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、土井善晴さんの伝統的で知恵の詰まったオリジナルレシピ「あじのこっくり煮」の作り方と、美味しく仕上げるための大切なポイントを詳しくご紹介しました。
小さめのアジを丸ごと使い、お酢を贅沢に用いて合計90分間という時間をかけてじっくりと煮込むこのお料理は、お酢の働きによって頭から骨まで丸ごと美味しく食べられる、身体にも嬉しい健康的な和食メニューです。
アルミや鉄の鍋を避けるといった道具選びの注意点や、煮る前にグリルで香ばしく焼いて生臭さを消す工夫,そして火を止めた後にゆっくりと冷ますことで味を染み込ませて身を締めるといった、一つ一つの工程に料理を格段に美味しくするための確かな理由が存在します。
じっくり時間をかけて仕上げたアジは、ご飯のおかずとしてはもちろん、お酒のおつまみや日々のお弁当、作り置きの常備菜としても大活躍してくれます。土井善晴さん直伝の、優しく奥深い味わいをぜひご家庭の食卓で再現してみてください。
