料理研究家として広く愛される土井善晴さん直伝の、滋味深く心がほっと温まる「卵焼きのお弁当」のレシピをご紹介します。毎日のお弁当作りにおいて、シンプルでありながら飽きのこない定番のおかずが詰まったお弁当は、食べる人に安心感を与えてくれるものです。
このレシピでは、甘めの卵液に焼きのりを巻き込んだ香り豊かな卵焼きを主役に、ごぼうと煮干しの旨味が凝縮されたきんぴら、さっぱりとしたにんじんの酢の物、香ばしいさやいんげんのごまあえ、そして持参してその場で仕上げる温かいみそ汁まで、バランスの取れたお弁当の構成が提案されています。
土井善晴さんのレシピによる、素材の持ち味を活かした丁寧な調理手順と、お弁当作りの基本となるご飯の扱い方などを詳しく解説していきます。忙しい朝でも手際よく作れる工夫が詰まった、伝統的でありながら現代の生活にも寄り添うお弁当レシピの魅力を余すところなくお届けします。
【土井善晴さんのレシピ】卵焼きのお弁当の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食1
servings15
minutes20
minutes847
kcal35
minutes料理研究家として広く愛される土井善晴さん直伝の、滋味深く心がほっと温まる「卵焼きのお弁当」のレシピをご紹介します。毎日のお弁当作りにおいて、シンプルでありながら飽きのこない定番のおかずが詰まったお弁当は、食べる人に安心感を与えてくれるものです。
材料
【ご飯】
米 適量
梅干し 適宜
【のり入り卵焼き】
【卵液】
卵 2コ
砂糖 大さじ2~3
しょうゆ 小さじ1
焼きのり(全形) 1/2枚
サラダ油 適量
【ごぼうの煮干し入りきんぴら】
ごぼう 40g
煮干し 4~5本(においが気になれば頭を取る。)
サラダ油 大さじ1
砂糖 大さじ1
しょうゆ 大さじ1/2
七味とうがらし 適量
【にんじんの酢の物】
にんじん 40g
塩 1つまみ
酢 大さじ1
砂糖 小さじ1
【さやいんげんのごまあえ】
さやいんげん 30g
白ごま 大さじ1
塩 適量
【みそ汁】
みそ 適量
削り節 適量
作り方
- 洗い米をきれいな水で水加減し、お弁当づくりの最初にご飯を炊きはじめる(炊飯器であれば早炊きモードで炊く)。炊き上がったら適量を弁当箱によそって底が蒸れないように網の上などにのせ、おかずを盛って粗熱を取る。冷めたら常温のおかずを盛り、梅干しをのせてふたをする。
- 【卵液】をつくる。ボウルに卵を割り入れて砂糖、しょうゆを加えて溶きほぐす。焼きのりは半分にちぎる。
- 卵焼き器を中火にかけてサラダ油をなじませ、【卵液】の半量を流し入れる。表面がふくらんできたら菜箸でつつき、七分(ぶ)通り火が通ったら手前にのりの半分をのせ、向こう側から手前に巻く。
- 向こう側のあいたところにサラダ油を塗り、卵焼きを向こう側へ移動させて、手前にサラダ油を塗る。
- 残りの【卵液】を流し入れ、卵焼きの下にも【卵液】を行き渡らせる。七分通り火が通ったら、 3 と同様にのりをのせて巻く。
- 焼き上がったら巻きすに取り、形を整えて冷ます。
- ごぼうをささがきにする。小鍋にごぼうと煮干しを入れ、サラダ油を加えて炒める。油がなじんだら砂糖、しょうゆを加え、汁けがなくなるまでいりつけ、七味とうがらしをふる。鍋底をぬれ布巾に当てて冷ます。
- にんじんは皮をむき、スライサーでせん切りにしてボウルに入れ、塩を混ぜて1分間ほどおく。しんなりとしたら紙タオルで水けを絞り、酢、砂糖で味つけをする。
- さやいんげんはヘタを除き、食べやすい長さに切って塩ゆでし、水にとって冷ます。白ごまをすり鉢で粗ずりにし、塩で味を調え、水けを取ったさやいんげんを加えてあえる。
- カップに持参したみそを入れて熱湯を注ぎ、同じく持参した削り節を加える。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (卵焼きのお弁当)
卵焼きのお弁当を美味しく作る3つの極意
ご飯の粗熱をしっかり取ってから蓋をする
お弁当作りにおいて、炊き上がったご飯の水分管理と衛生面への配慮は非常に重要な要素です。このレシピのポイントは、炊き上がった温かいご飯をお弁当箱によそった後、底が蒸れないように網の上などにのせてしっかりと粗熱を取ることにあります。
熱い状態のままお弁当箱の蓋を閉めてしまうと、内部で蒸気が水滴となり、ご飯やおかずを傷める原因になります。常温になるまでしっかりと冷ますことで、お弁当全体の衛生状態を保ち、時間が経っても美味しい状態を維持することができます。
卵焼きは七分通り火が通った段階でのりをのせて巻く
卵焼きを美しく、そしてのりとの一体感を持たせて仕上げるための調理技術にはコツがあります。このレシピのポイントは、卵焼き器に流し込んだ卵液の表面がふくらんできたら菜箸でつつき、全体が七分通り火が通った半熟の絶妙なタイミングで焼きのりをのせて巻き始めることです。
完全に火が通ってしまうとのりと卵が剥がれやすくなり、逆に生すぎると形が崩れてしまいます。適度な半熟状態を保ったまま巻くことで、卵とのりがきれいに密着し、切り口も美しいのり入り卵焼きが完成します。
きんぴらは炒めた後に鍋底をぬれ布巾に当てて急冷する
ごぼうのきんぴらを仕上げる際の冷却工程には、味を凝縮させお弁当に適した状態にするための一般的な工夫があります。このレシピのポイントは、ごぼうと煮干しを炒め、調味料の汁けがなくなるまでしっかりといりつけた後、鍋底をすぐにぬれ布巾に当てて冷ますことです。
急激に冷ますことで、加熱をピタリと止めてごぼうの食感を適度に残しつつ、冷めていく過程で味が中までしっかりと染み込みます。お弁当に入れるおかずは、汁けをなくして急速に冷ますことで、他のおかずへの味移りを防ぐ効果もあります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
この伝統的で優しい味わいの和風お弁当には、お茶だけでなく、意外な組み合わせとして日本の甲州ブドウを使用した白ワインや、すっきりとしたロゼワインが非常によく合います。
卵焼きのしっかりとした甘みや、ごぼうのきんぴらに含まれる煮干しの旨味と醤油のコクには、酸味が穏やかで果実味が主張しすぎない甲州ワインのクリーンな味わいが調和します。
また、にんじんの酢の物の爽やかな酸味や、さやいんげんのごまあえの香ばしさに対しても、辛口のロゼワインが持つ軽やかな渋みと華やかな香りが、全体のおかずの風味を引き立ててくれます。
アルコール度数が高すぎない、優しくナチュラルな造りの日本ワインを選ぶことで、お弁当の素朴な美味しさを損なうことなく、平日の贅沢なランチタイムや休日のピクニックをより一層華やかに演出することができます。
保存テクニックと温め直し方
お弁当として持ち運ぶ際や保存する際の注意点として、調理したおかずは必ず完全に冷ましてからお弁当箱に詰めることが鉄則です。ご飯やおかずが温かいまま蓋をすると内側に結露が生じ、傷む原因となります。にんじんの酢の物やさやいんげんのごまあえは、汁けを十分に絞ってから詰めることで水分による傷みを防げます。
保存期間としては、お弁当の特性上、調理したその日のうちに召し上がることを前提としています。もし前日に作り置きをする場合は、きんぴらなどの加熱調理したおかずは冷蔵庫で適切に保管し、翌朝お弁当に詰める前にもう一度十分に加熱して完全に冷ましてから使用することをおすすめします。
特に夏場などは保冷剤を必ず添えて持ち運んでください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さん直伝の「卵焼きのお弁当」は、日本の家庭料理の原点とも言えるシンプルで温かみのあるメニューが揃っています。
主役となる甘めののり入り卵焼き、旨味が詰まったごぼうの煮干し入りきんぴら、さっぱりとしたにんじんの酢の物、香ばしいさやいんげんのごまあえ、そしてその場で仕上げる即席のみそ汁まで、一連の流れが非常に合理的で無駄がありません。
お弁当作りの基本である「ご飯の水分と温度の管理」を徹底することや、おかずの汁けを飛ばして急速に冷ます工夫など、時間が経っても美味しく衛生的に食べるための知恵が詰まっています。このレシピ通りに丁寧に作ることで、毎日のお弁当が格段に美味しくなり、食べる人の心とお腹を満たす特別な一杯が完成します。
素材の味を最大限に引き出す伝統的な技法を、ぜひ日々の調理に取り入れてみてください。
