日本料理の第一人者である土井善晴さんのレシピをご紹介します。今回お届けするのは、古くから日本の食卓で愛されてきた定番料理「麦とろご飯」です。土井善晴さん直伝のこのレシピは、シンプルな材料だからこそ、一つ一つの丁寧な工程が極上の味わいを生み出します。
麦ご飯特有の軽やかでツルリとした食感は、なめらかでふんわりとしたとろろ汁と抜群の相性を誇ります。米と押し麦を合わせてしっかりと吸水させる「洗い米」の手法や、炊き上がったご飯をおひつに移して余分な水分を飛ばすといった基本の技術が、美味しい麦ご飯を炊き上げる要となります。
また、とろろ汁の要となる山芋は、すり鉢とすりこ木を使って丁寧に空気を抱き込ませることで、口当たりが驚くほどふんわりと仕上がります。そこへ白みそ仕立ての汁を少しずつ加えてのばしていくことで、スルスルと飲めるほどの軽快なのどごしが実現するのです。
日々の食卓を豊かに彩る、土井善晴さんの温かみあふれる麦とろご飯。心も体も喜ぶ、滋味深い日本の味をぜひご家庭で再現してみてください。
【土井善晴さんのレシピ】麦とろご飯の作り方
Course: 主食Cuisine: 和食4
servings45
minutes40
minutes432
kcal85
minutes日本料理の第一人者である土井善晴さんのレシピをご紹介します。今回お届けするのは、古くから日本の食卓で愛されてきた定番料理「麦とろご飯」です。土井善晴さん直伝のこのレシピは、シンプルな材料だからこそ、一つ一つの丁寧な工程が極上の味わいを生み出します。
材料
米 400ml(カップ2)
押し麦 約50g
【とろろ汁】
山芋 正味200g(いちょう芋(大和芋)を使用。)
白みそ 100g
水 カップ1+1/2
作り方
- 米と押し麦は合わせて洗い、ざるに上げて40分間ほどおいて吸水させる(洗い米)。
- ポイント
- 麦ご飯は口当たりが軽く、ツルリとした食感がとろろ汁とよく合います。
- 1 を炊飯釜に入れ、同量の水を加えて炊き、おひつに移す。
- ポイント
- おひつに移すことで、木が余分な水分を吸水してご飯の味を保ちます。
- 山芋は皮をむき、黒い斑点も丁寧に除く。すり鉢の上で、目の細かいおろし金ですりおろす。
- ポイント
- 山芋の皮はすべてむかず、手に持つところを残すと扱いやすくなります。
- すり終わったら、さらになめらかになるようにすりこ木でよくする。
- ポイント
- すり鉢ですることでとろろに空気が入り、量が増えてふんわりとします。
- 白みそ100gを水カップ1+1/2で溶いてみそ汁を用意し、 4 に玉じゃくし1杯ずつ加えながらする。
- 5 を数回繰り返し、とろろを柔らかくのばす。
- ポイント
- 山芋の種類や質によって粘りの強さは異なります。スルスルと飲める程度に柔らかくすることで麦ご飯との相性がよくなります。
- 麦ご飯を茶碗(わん)によそい、【とろろ汁】をかける。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (麦とろご飯)
麦とろご飯を美味しく作る3つの極意
米と押し麦の丁寧な吸水と、おひつへの移し替え
このレシピのポイントは、お米と押し麦にしっかりと水を吸わせるための「洗い米」の工程にあります。米と押し麦を合わせて洗った後、ざるに上げて約40分間そのまま置いておくことで、米粒の芯まで均等に水分を行き渡らせることができます。
これにより、炊き上がりはふっくらとして、麦特有のツルリとした心地よい食感が際立ちます。さらに、炊き上がった麦ご飯を炊飯釜からおひつに移すのも大切なひと手間です。
木の素材で作られたおひつがご飯の余分な蒸気と水分を適度に吸い取ってくれるため、ご飯の粒がべたつかず、最後まで美味しく味わいを保つことができます。
山芋をすり鉢ですることで生まれるふんわりとした食感
とろろ汁の滑らかさを決定づける重要なポイントが、山芋のすりおろし方です。いちょう芋(大和芋)の皮をむく際は、すべてをむき切らずに手で持つ部分を少しだけ残しておくと、手が滑らず格段に扱いやすくなります。
目の細かいおろし金を使ってすり鉢の上ですりおろした後は、そのままですませず、すりこ木を使ってさらによくすり混ぜるのが極意です。すり鉢の摩擦を利用しながらすりこ木で丁寧に練り上げることで、とろろの中に細かな空気がたっぷりと含まれ、カサが増すとともに驚くほどふんわりとした口当たりに変化します。
白みそ汁を少しずつ加えて最適な柔らかさにのばす
すりおろした山芋に対して、一度に水分を加えないこともこのレシピの大きなポイントです。白みそを水で溶いて用意したみそ汁は、山芋の入ったすり鉢へ玉じゃくし1杯ずつ、様子を見ながら少しずつ加えてその都度すりのばしていきます。
山芋はその種類や個体によって元々の粘りの強さが大きく異なるため、少しずつ水分を足すことで、理想のなめらかさに微調整できるのです。最終的にスルスルと飲み込むように味わえる程度まで柔らかくのばすことで、口当たりの軽い麦ご飯の粒ととろろ汁が完璧に絡み合い、極上の相性を生み出します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
土井善晴さんの麦とろご飯は、素朴でありながらも深い滋味に溢れた一品です。この繊細な和の味わいに寄り添う飲み物としては、すっきりとした日本茶はもちろんのこと、お酒を合わせるなら軽やかでフルーティーな白ワインがおすすめです。
例えば、日本のブドウ品種である甲州を使用した辛口の白ワイン「シャトー・メルシャン 甲州きいろ香」などは、その柑橘系の上品な香りと引き締まった酸味が、白みその柔らかな甘みと見事に調和します。
また、副菜には季節の青菜を使ったお浸しや、大根と柚子の浅漬けなど、さっぱりとした箸休めを用意すると、食事全体のバランスが非常に良くなります。
主役である麦とろご飯の風味を引き立てるため、強すぎる香辛料や脂っこいおかずは避け、だし巻き卵や白身魚の西京焼きといった、穏やかで優しい味付けの和食メニューを合わせるのが最高のペアリングとなるでしょう。
保存テクニックと温め直し方
麦とろご飯の美味しさを保つための保存方法について解説します。まず、炊き上がった麦ご飯は、乾燥を防ぐために温かいうちに一食分ずつ小分けにしてラップでピタリと包み、粗熱が取れたらすぐに冷凍庫で保存するのが最適です。食べる直前に電子レンジで加熱すれば、ふっくらとしたツルリとした食感が蘇ります。
一方で、白みそ汁でのばしたとろろ汁は、時間が経つと水分が分離しやすく、色も黒ずんでしまうため、基本的には作ったらその日のうちに食べ切ることをおすすめします。
どうしても保存したい場合は、空気に触れないよう密閉容器にぴったりとラップを表面に貼り付けて蓋をし、冷蔵庫に入れて半日以内には消費するようにしてください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した土井善晴さん直伝の「麦とろご飯」は、日本料理の基本と知恵が詰まった素晴らしいレシピです。米と押し麦の丁寧な吸水による炊き上がりの良さ、おひつを活用した水分調整、そして山芋をすり鉢で空気を含ませながらすりおろし、白みその汁で少しずつ伸ばしていく繊細な工程。
これら一つ一つの作業が決して難解なものではなく、日常の台所で実践できる工夫であることがこのレシピの最大の魅力です。出来上がった麦とろご飯は、スルスルとした心地よいのどごしと、白みそのふくよかな香りが口いっぱいに広がり、食欲が落ちがちな季節でも無理なく美味しく食べられます。
健康にも良く、胃腸にも優しい一杯は、ご家族の健康を気遣う日々の献立にぴったりです。ぜひこの手順とポイントを取り入れて、極上のふんわり感となめらかさを持つ至福の麦とろご飯をご家庭でご堪能ください。
