今回は、日本の家庭料理の素晴らしさを伝えてくれる、土井善晴さんの「大豆昆布」のレシピをご紹介します。乾燥大豆と昆布という昔ながらの素朴な食材を使い、じっくりと時間をかけて丁寧に煮込むことで、素材本来の豊かな味わいと深い旨味を引き出す至極の一品です。
現代の忙しい日々の中では、乾物を戻して煮物を作るという工程を少し手間に感じるかもしれません。しかし、このレシピは手順が非常に洗練されており、基本に忠実に進めるだけで誰でもふっくらとしたツヤのある大豆昆布を作ることができます。
特筆すべきは、水からではなく、砂糖としょうゆを加えた熱い調味液の中に大豆を入れて一晩かけて戻すという工程です。これにより、大豆がふっくらと戻りながら中までしっかりと味が染み込みます。
日々の食卓の頼もしい副菜としてはもちろん、冷めても美味しいのでお弁当のおかずや、週末の作り置き(常備菜)としても大活躍してくれます。
【土井善晴さんのレシピ】大豆昆布の作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食4
servings10
minutes2
hours311
kcal130
minutes今回は、日本の家庭料理の素晴らしさを伝えてくれる、土井善晴さんの「大豆昆布」のレシピをご紹介します。乾燥大豆と昆布という昔ながらの素朴な食材を使い、じっくりと時間をかけて丁寧に煮込むことで、素材本来の豊かな味わいと深い旨味を引き出す至極の一品です。
材料
大豆(乾) 200g
昆布 50g(ここでは日高昆布を使ったが、好みのものでよい。)
【A】
砂糖 80g
しょうゆ 大さじ3
作り方
- 大豆は洗ってざるに上げ、水けをきる。
- 鍋に水カップ8を入れて火にかけ、煮立ったら【A】を加えて火を止める。 1 の大豆を加え、そのまま一晩おいて豆を戻す。
- 2 の鍋を強火にかけ、煮立ったらアクを取る。
- 落としぶたと鍋のふたをして、煮汁の表面が静かにゆれるくらいの火加減で、柔らかくなるまで約1時間煮る。
- 昆布は湿らせて少し柔らかくしてから、はさみで1cm四方の色紙形に切る。
- 4 に 5 を加え、再び落としぶたと鍋のふたをして、煮汁がヒタヒタくらいになるまでさらに1時間ほど煮る。
- 煮上がったら、そのまま冷まして味を含ませる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (大豆昆布)
大豆昆布を美味しく作る3つの極意
調味液で一晩戻して味を含ませる
このレシピの最大のポイントは、大豆を単なる水ではなく、一度煮立たせて砂糖(80g)としょうゆ(大さじ3)を加えた熱い調味液に浸して一晩戻すことです。乾燥した大豆が水分を吸って膨らむプロセスと同時に、甘辛い味が豆の芯までじっくりと浸透していきます。
水だけで戻してから後で調味料を加える一般的な方法に比べ、豆の内部から均一に味が染み込むため、噛んだ瞬間に口の中に広がる風味の深みが格段に違います。また、一晩じっくりと時間をかけることで豆が十分に水分を含み、その後の煮込み工程でふっくらと柔らかく仕上がる土台が作られます。
二重のふたと静かな火加減で煮る
大豆を煮る際は、沸騰してアクを取った後、必ず落としぶたと鍋のふたの両方を使用します。そして、「煮汁の表面が静かにゆれるくらい」の優しい火加減を保ちながら約1時間煮込みます。落としぶたをすることで少ない煮汁でも全体に対流が生まれ、味が均等に回ります。
さらに鍋のふたを重ねることで蒸気を逃がさず、一定の温度で包み込むように加熱できます。静かな火加減を守ることで、豆同士が鍋の中で激しくぶつかり合って皮が破れたり、煮崩れしたりするのを防ぎ、見た目も美しく食感も良い大豆に仕上がります。
鍋のまま冷まして味を定着させる
昆布を加えてさらに1時間ほど煮込み、煮汁がヒタヒタになったら火を止めますが、すぐに器に盛るのではなく「そのまま冷まして味を含ませる」ことが非常に重要です。日本の煮物全般に共通する基本の理論として、食材は加熱されている時よりも、温度が下がっていく過程で最も周囲の煮汁や旨味を吸収します。
火を止めて鍋の中でゆっくりと常温に戻していくことで、昆布から出た豊かな旨味成分や調味料が、大豆と昆布にしっかりと定着し、全体がまとまったまろやかで奥深い味わいへと変化します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
この大豆昆布は、ほっとするような甘辛い和の味わいが特徴ですので、やはり王道の和食献立と合わせるのが最もおすすめです。メインのおかずには、塩鮭やサバの塩焼きといったシンプルな焼き魚や、ふんわりと出汁を効かせた出汁巻き卵などがよく合います。
温かい白いご飯と、豆腐やわかめのお味噌汁を添えれば、栄養バランスも整った理想的な和定食が完成します。お酒を合わせる場合は、キリッとした辛口の日本酒や、旨味のある純米酒が昆布のダシと見事に調和します。
ワインを選ぶなら、甲州(コシュ)などの和柑橘のニュアンスを持つ日本の白ワインや、出汁の旨味に寄り添う軽めのオレンジワインが、大豆の甘みを引き立ててくれます。
保存テクニックと温め直し方
粗熱が完全に取れたら、清潔な保存容器に移して冷蔵庫で保存してください。適切な冷蔵保存で、おおよそ4〜5日程度日持ちします。作ってすぐよりも、翌日や翌々日の方がさらに味がなじんで美味しくなるため、多めに作って常備菜にするのにぴったりです。
取り分ける際は必ず清潔なスプーンや箸を使用し、傷みを防ぐようにしてください。また、お弁当用に少量のカップに小分けにして冷凍保存することも可能です。冷凍した場合は約1ヶ月ほど保存でき、自然解凍でお弁当の隙間埋めに重宝します。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さんのレシピで作る大豆昆布は、日本の伝統的な家庭の味を再確認させてくれる素晴らしい一品です。乾燥大豆を一晩かけて戻し、トータルで2時間ほどじっくりと煮込むという工程には、少しの根気が必要かもしれません。
しかし、その手間の分だけ、ふっくらと艶やかに炊き上がった豆の食感と、昆布の深い旨味が染み込んだ味わいは、出来合いのお惣菜では決して味わえない格別な美味しさがあります。煮汁が静かに揺れる火加減を見守り、ゆっくりと冷まして味を含ませる時間は、料理の基本と楽しさを教えてくれます。
栄養価も高く、日々のお弁当や副菜として大活躍間違いなしですので、ぜひ時間がある時などに、たっぷりと仕込んでみてはいかがでしょうか。
