今回は、料理研究家の土井善晴さん直伝のレシピ『新たけのこの酢豚』をご紹介します。春の訪れを告げるみずみずしい新たけのこを主役に、ジューシーな豚肉を合わせた、季節感あふれる極上の酢豚です。
一般的な酢豚といえば、ピーマンやにんじん、玉ねぎなど多くの野菜を組み合わせることが多いですが、このレシピでは新たけのこと豚肉だけに具材を絞り込むことで、それぞれの素材の持つ美味しさを最大限に引き出しています。
サクッとした軽やかな衣をまとった豚肉に、コク深い黒酢を効かせた甘酢あんがしっかりと絡み、一口食べるごとに豊かな旨味と爽やかな酸味が口いっぱいに広がります。新たけのこ特有の心地よい歯ごたえと香りを存分に堪能できる、シンプルながらも非常に贅沢な味わいの一品です。
お家での夕食のおかずとしてはもちろん、特別なおもてなし料理としても喜ばれること間違いなしの本格的な中華仕立てのレシピを、ぜひお楽しみください。
【土井善晴さんのレシピ】新たけのこの酢豚の作り方
Course: 主菜Cuisine: 中華2
servings15
minutes20
minutes528
kcal35
minutes今回は、料理研究家の土井善晴さん直伝のレシピ『新たけのこの酢豚』をご紹介します。春の訪れを告げるみずみずしい新たけのこを主役に、ジューシーな豚肉を合わせた、季節感あふれる極上の酢豚です。
材料
ゆでたけのこ(新たけのこ) 1本(200~250g)
豚ロース肉 220g
揚げ油
小麦粉 大さじ2
かたくり粉 大さじ2
黒こしょう(粗びき) 適量
【A】
しょうゆ 大さじ2/3
酒 大さじ1
【合わせ調味料】
トマトケチャップ 大さじ2
砂糖 大さじ2
黒酢 大さじ2
しょうゆ 小さじ1
作り方
- 豚肉は2cm厚さの一口大に切る。
- ゆでたけのこは、根元のほうは1cm厚さの輪切りにしてから、食べやすい大きさのそぎ切りにし、穂先はくし形に切る。
- 【合わせ調味料】の材料を混ぜ合わせる。
- ポイント
- コクのある黒酢を使いましたが、普通の酢でもおいしくできます。
- 鍋に 2 とかぶるくらいの水を入れて弱火にかけ、静かに煮立ててたけのこの中心まで熱くする。 8 で使うまでそのまま火にかけておく。
- ポイント
- 新物のゆでたけのこだから、熱湯でゆでるだけでよいのです。瓶詰や缶詰のゆでたけのこは使いません。
- 小さめのフライパン(直径20cm)に揚げ油を1cm深さくらいまで入れる。
- 1 に【A】をもみ込み、小麦粉大さじ2を混ぜてからめてから、かたくり粉大さじ2をまぶし、 5 の油に入れる。
- 6 を強めの中火にかけ、油の温度が上がったら肉を一度返して中火にし、おいしそうな揚げ色がついたら引き上げる。
- ポイント
- 冷たい油から揚げるとゆっくりと火が入るので、肉が縮みにくく、失敗なく揚がります。
- フライパンに残った油をあけ、 4 を網じゃくしですくい上げて水けをきって入れ、中火にかける。 7 、 3 を順に加え、大きく混ぜてしっかりからめる。仕上げに黒こしょう適量をふる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (新たけのこの酢豚)
新たけのこの酢豚を美味しく作る3つの極意
冷たい油からゆっくり加熱してジューシーに仕上げる
このレシピの大きなポイントは、下ごしらえをした豚ロース肉を冷たい状態の油に入れてから強めの中火にかけるという点にあります。冷たい油から徐々に温度を上げていくことで、肉の内部に対して熱がゆっくりと均一に伝わっていきます。
これにより、急激な加熱による肉の組織の収縮を防ぐことができるため、お肉が硬く縮むことなく、非常に柔らかくジューシーな食感に仕上がります。揚げ物の失敗として多い「外側は焦げているのに中は生」という状態を防ぎ、誰でも失敗なくきれいな揚げ色でジューシーに揚げることができる合理的な調理法です。
ゆでたけのこを事前に弱火で芯まで温めておく
新たけのこを調理する際、鍋にかぶるくらいの水と一緒に入れて弱火にかけ、静かに煮立てて中心まで熱を通しておくことが非常に重要です。たけのこをあらかじめ中までしっかりと温めておくことで、最後の仕上げの段階で冷たい状態のまま炒め油や調味料と合わせるのを防ぎます。
これにより、全体の温度が下がることなく、合わせ調味料が具材に一瞬で均一に絡みつくようになります。新物のゆでたけのこだからこそ、このシンプルなひと手間だけで素材の風味とみずみずしい食感が格段に活きて、プロのような仕上がりになります。
小麦粉とかたくり粉のダブル使いで理想の衣を作る
豚肉に下味をもみ込んだ後、まず小麦粉大さじ2を混ぜて全体にからめ、その上からさらにかたくり粉大さじ2をまぶすという2段階の衣の付け方が美味しさを引き出す秘訣です。
小麦粉が豚肉の表面をしっかりとコーティングして旨味や水分を内側に閉じ込め、その外側につけたかたくり粉が油で揚げることでサクサクとした心地よい軽やかな食感を生み出します。
この2種類の粉の役割分担によって、冷たい油から揚げても油っぽくならず、時間が経っても合わせ調味料の甘酢あんがしっかりと絡み続ける極上の衣が完成します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
新たけのこの酢豚に合わせる飲み物としては、黒酢のまろやかな酸味とトマトケチャップのフルーティーな甘み、そして豚肉のジューシーな脂の旨味を引き立てるお酒が理想的です。ワインを選ぶのであれば、果実味が豊かで心地よい酸味を持つロゼワインや、軽やかからミディアムボディの赤ワインが非常によく合います。
特にフランスのブルゴーニュ地方のピノノワールや、イタリアのキャンティなどは、黒酢の上品なコクと調和し、豚肉の油っぽさを綺麗に洗い流してくれます。また、たけのこの持つ独特の大地の香りに合わせて、少しスモーキーなニュアンスのある辛口のロゼワインを合わせるのも洗練された組み合わせになります。
お酒が苦手な方やノンアルコールで楽しみたい場合は、香ばしさと奥深い渋みを持つ温かいプーアル茶や、すっきりとしたジャスミン茶を合わせると、口の中がさっぱりとして酢豚の美味しさがより一層際立ちます。
保存テクニックと温め直し方
調理後の酢豚を保存する場合は、しっかりと冷ましてから清潔な密閉容器に入れ、冷蔵庫で保管してください。保存期間の目安は2〜3日程度です。
食べる際には、電子レンジで温め直すことも可能ですが、衣のサクサク感を少しでも取り戻したい場合は、耐熱皿に移してふんわりとラップをかけてレンジで軽く温めた後、アルミホイルを敷いたオーブントースターで表面を1〜2分ほど焼くのがおすすめです。
これにより、タレが香ばしくなり、衣のベタつきを抑えることができます。なお、たけのこは冷凍すると水分が抜けてスカスカとした繊維質の食感になってしまい、風味が著しく損なわれるため、冷凍保存は避けて冷蔵期間内に美味しく食べ切ることを強くおすすめします。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、土井善晴さん直伝のレシピ『新たけのこの酢豚』の作り方についてご紹介しました。旬の新たけのこと豚ロース肉という、選び抜かれた2つの主役食材のみで構成されたこの酢豚は、素材そのものの食感と旨味をダイレクトに味わえる贅沢な一品です。
冷たい油から豚肉をじっくりと揚げる独自の調理法や、たけのこを事前にしっかりと温めておく工夫など、シンプルながらも理にかなった手順が美味しさを構築しています。
コクのある黒酢とトマトケチャップベースの合わせ調味料が、サクサクの衣をまとったジューシーな豚肉とみずみずしいたけのこに完璧に絡み合い、仕上げの黒こしょうが味全体を引き締めます。春の季節を感じられるこの素晴らしい料理を、ぜひご家庭の食卓で再現して、プロの味を心ゆくまで堪能してみてください。
