日本の家庭料理を牽引する土井善晴さんのレシピ、「鶏だんごとかぶのスープ煮」をご紹介します。このレシピは、ふんわりと口どけの良い鶏だんごと、お出汁をたっぷりと吸い込んだとろとろのかぶが主役の、心温まる一品です。
鶏だんごには水に浸した食パンをたっぷりと加えることで、驚くほど柔らかく、ふわりとした食感に仕上がります。また、かぶはあえて厚めに皮をむくことで、筋っぽさがなくなり、口の中でとろけるような柔らかさに煮上がります。
味付けは昆布のお出汁をベースに、酒と薄口醤油のみという非常にシンプルで洗練された構成となっており、素材本来の持つ自然な甘みと旨味を最大限に引き出しています。たっぷりの煮汁でコトコトと静かに煮含める時間は、キッチンに広がる香りとともに癒やしのひとときをもたらしてくれるでしょう。
土井善晴さん直伝の、優しくじんわりと染み渡る極上のスープ煮を、ぜひご家庭でそのまま再現してお楽しみください。日常の食卓がぐっと豊かになる、珠玉の和食レシピです。
【土井善晴さんのレシピ】鶏だんごとかぶのスープ煮の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings15
minutes25
minutes210
kcal40
minutes日本の家庭料理を牽引する土井善晴さんのレシピ、「鶏だんごとかぶのスープ煮」をご紹介します。このレシピは、ふんわりと口どけの良い鶏だんごと、お出汁をたっぷりと吸い込んだとろとろのかぶが主役の、心温まる一品です。
材料
かぶ 8コ(約730g)
昆布(10cm角) 1枚
七味とうがらし 適宜
酒
うす口しょうゆ
【鶏だんご】
鶏ひき肉 200g
卵 1コ
小麦粉 大さじ1/2
しょうが汁 大さじ1/2
塩 小さじ1/3
食パン(6枚切り) 1枚
作り方
- かぶは茎を2cmほど残して葉を落とし、皮を厚めにむく。茎の付け根は竹串などを使ってきれいにする。
- ポイント
- 皮の部分に繊維が多いため、大きいかぶの場合ほど厚めにむくことで柔らかく煮上げることができる。皮は浅漬けにして食べてもよい。
- 【鶏だんご】の食パン以外の材料をボウルに入れ、なめらかになるまで練り混ぜる。
- 食パンは水に浸す。柔らかくなったら水けをしっかり絞り、 2 に混ぜ合わせる。
- ポイント
- ひき肉と同量ほどのパンを加えると、ふわりと柔らかな鶏だんごになる。
- 鍋に水1リットルを注ぎ、昆布と 1 のかぶを入れて強火にかけて煮立てる。 3 の肉ダネを手のひらにとり、親指と人さし指でギュッと絞り出し、スプーンですくって鍋に加える。
- 酒・うす口しょうゆ各大さじ3を加え、アクを除く。落としぶたをし、表面が静かに波立つ程度の火加減を保ち、約20分間、かぶが柔らかくなるまで煮る。器に盛り、七味とうがらしを添える。
- ポイント
- たっぷりの煮汁でゆっくり煮る。これが、【鶏だんご】を柔らかく煮上げるコツ。また、火を止めいったん冷ませば、味がグッと入っておいしさアップ!
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (鶏だんごとかぶのスープ煮)
鶏だんごとかぶのスープ煮を美味しく作る3つの極意
かぶの皮は厚めにむいて繊維を取り除く
かぶを煮る際の下ごしらえにおける最も重要なポイントは、皮を厚めにむくことです。かぶの皮のすぐ下には固い繊維が多く通っているため、薄くむいてしまうと煮上がったときに口の中に筋が残ってしまい、食感を損ねてしまいます。
特に大きめのかぶを使用する場合は、繊維がより強くなるため、思い切って厚めに皮をむくことで、中まで柔らかく、とろけるような口当たりのスープ煮に仕上げることができます。なお、むきとった皮は捨てずに、塩揉みや昆布と一緒に浅漬けにすることで、無駄なく美味しく副菜として楽しむことができます。
水で戻した食パンを加えてふんわり食感に
鶏だんごを作る際の極意は、つなぎとして水に浸してしっかりと水けを絞った食パンを加えることです。ひき肉の量に対して同量程度のたっぷりの食パンを加えることで、肉の繊維の間にパンが入り込み、加熱しても固くならず、驚くほどふわりと柔らかな鶏だんごに仕上がります。
ボウルでひき肉、卵、小麦粉、しょうが汁、塩をなめらかになるまでしっかりと練り混ぜた後に、この絞った食パンを加えて均一に混ぜ合わせることが大切です。スープの中で煮崩れることなく、かつ口に入れるとほろりとほどける理想的な食感を生み出します。
たっぷりの煮汁で煮て、一度冷まして味を含ませる
鶏だんごとかぶを柔らかく、そして風味豊かに仕上げるための火加減と仕上げのコツです。1リットルというたっぷりの水と昆布を使い、酒と薄口醤油を加えた煮汁の中で、表面が静かに波立つ程度の優しい火加減を保ちながら約20分間ゆっくりと煮ます。
激しく沸騰させないことで、かぶが煮崩れるのを防ぎ、鶏だんごもふっくらと煮上がります。さらに重要なのが、火を止めてからいったん冷ます工程です。食材は温度が下がる過程で煮汁をたっぷりと吸い込むため、一度冷ますことで中まで味がグッと入り、格段に美味しくなります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
土井善晴さん直伝の「鶏だんごとかぶのスープ煮」は、昆布の繊細な旨味と薄口醤油の優しい風味が特徴の和食ですので、お酒を合わせるなら素材の味に寄り添うような穏やかなものがおすすめです。ワインを選ぶ場合は、主張が強すぎないスッキリとした辛口の白ワインがよく合います。
例えば、日本の固有品種である甲州を使った白ワインは、和食特有の出汁の旨味と見事に調和し、かぶの甘みを引き立ててくれます。また、フランスのロワール地方で造られるミュスカデなども、フレッシュな酸味とミネラル感が鶏だんごのさっぱりとした味わいと好相性です。
日本酒を合わせるなら、お米のふくよかな旨味が感じられる純米酒を、少し温めてぬる燗にして合わせると、スープの温かさとお酒の温度がリンクし、より一層ホッと和むような素晴らしいマリアージュを楽しむことができます。薬味に添える七味唐辛子のピリッとした辛味が、お酒の甘みをより際立たせてくれるでしょう。
保存テクニックと温め直し方
出来上がった「鶏だんごとかぶのスープ煮」が余った場合は、清潔な保存容器に煮汁ごとたっぷりと入れて、粗熱が完全に取れてから冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存での日持ちは、約2日〜3日程度が目安となります。
前述の通り、一度冷ますことでかぶと鶏だんごに煮汁の旨味がしっかりと染み込むため、翌日は作ってすぐの時よりもさらに奥深い味わいを楽しむことができます。
温め直す際は、電子レンジではなく鍋に移し、弱火から中火で沸騰させすぎないようにゆっくりと加熱すると、鶏だんごが固くならず、ふんわりとした食感を保ったまま美味しくお召し上がりいただけます。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さんのレシピ「鶏だんごとかぶのスープ煮」は、身近な食材を使って、素材そのものの美味しさを極限まで引き出した、心も体も温まる素晴らしい和食の一品です。
たっぷりの食パンをつなぎに使うことで生まれる、鶏だんごの驚くようなふんわりとした柔らかさと、厚めに皮をむいてじっくりと煮込まれたかぶのとろけるような甘みが、昆布と薄口醤油の品の良いお出汁の中で見事に調和しています。
約20分間という時間をかけて、静かな火加減でゆっくりと煮含める工程や、一度火を止めて冷ますことで味を染み込ませるというひと手間が、家庭料理を一段上の味わいへと引き上げてくれます。寒い季節には特に喜ばれる一皿であり、日々の食卓の定番として繰り返し作りたくなる、優しさに満ちたレシピです。
ぜひ、この丁寧な手順を守って、心癒される極上のスープ煮をご家庭で味わってみてください。
