土井善晴さんの「芋煮」のレシピをご紹介します。日本の伝統的な家庭料理の魅力を今に伝える、心も体も芯から温まる素晴らしい和食メニューです。
主役となる里芋を中心に、ジューシーな牛切り落とし肉、食感の良いこんにゃく、香りの良いごぼう、そして甘みのあるねぎを組み合わせた、具だくさんでボリューム満点の一品となっています。
このレシピの極めて優れたところは、特別な調味料を一切使うことなく、素材の下処理や加熱のタイミングといった丁寧なひと手間で、素材本来の美味しさを最大限に引き出し、奥深く洗練された味わいに仕上げられる点にあります。
みそとしょうゆという2つの発酵調味料が織りなす、コクと香りの絶妙なハーモニーは、一口食べれば誰もが笑顔になる美味しさです。ご家庭の定番料理として、何度も繰り返し作りたくなること間違いなしの、土井善晴さん直伝の素晴らしい知恵が詰まった本物の芋煮の作り方を、詳細な手順とともに分かりやすくお届けします。
【土井善晴さんのレシピ】芋煮の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食4
servings20
minutes25
minutes453
kcal45
minutes土井善晴さんの「芋煮」のレシピをご紹介します。日本の伝統的な家庭料理の魅力を今に伝える、心も体も芯から温まる素晴らしい和食メニューです。
材料
里芋 12コ(約600g)
牛切り落とし肉 300g
こんにゃく 1枚(330g)
ごぼう 1本
ねぎ 2本
【煮汁】
みそ 80g
酒 カップ1
水 カップ6
みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ約2
作り方
- 里芋は洗わずに根元の堅い部分を切り落とし、ナイフで皮をこそげてむく。全部むけたらきれいに洗い、水けをきる。
- ポイント
- 旬の里芋なら、ナイフでこそげれば軽く皮がむける。包丁でむくと、皮の下のおいしい部分がなくなってしまうのでもったいない!
- こんにゃくは一口大にちぎって水からゆで、煮立ったらざるに上げる。ごぼうはたわしで洗い、大きめのささがきにして水にさらし、水けをきる。ねぎは2cm長さ、牛肉は3cm長さに切る。
- ポイント
- ごぼうはささがきにして柔らかく煮ると食べやすく、主役の里芋のじゃまをしない。
- 鍋を中火で熱して牛肉を入れ、木べらで混ぜていりつけながら火を通す。肉の色が変わったら、【煮汁】のみそを加えていりつけ、香ばしく焼けたら一度取り出す。
- ポイント
- 肉は一度取り出し、途中で戻し入れると存在感のある煮上がりに。
- 3 の鍋に里芋、こんにゃく、ごぼうを入れて中火にかけ、【煮汁】の酒を加える。鍋底をこそげて混ぜ、全体になじんだら水を注ぐ。アクを取り、弱火で10分間、里芋が柔らかくなるまで煮る。牛肉を戻し、再び煮立ったら、ねぎ、みりんを加えてさらに10分間煮、しょうゆで味を調える。
- ポイント
- 仕上げはしょうゆで味加減。みそとしょうゆ、2つの発酵調味料で奥深い味わいに。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (芋煮)
芋煮を美味しく作る3つの極意
里芋はナイフで皮をこそげてむく
このレシピにおける里芋の下処理は非常に重要なポイントです。旬の里芋であれば、包丁を使って厚く皮をむくのではなく、ナイフで表面を軽くこそげるようにしてむくのがコツです。包丁で厚くむいてしまうと、皮のすぐ下にある最も風味豊かで美味しい部分が失われてしまい、非常にもったいないからです。
洗わずに根元の堅い部分を切り落とし、丁寧に皮をこそげ落とした後にきれいに洗い、水気をきることで、里芋本来の力強い旨味とねっとりとした食感を最大限に活かした素晴らしい仕上がりになります。
牛肉にみそを加えていりつけ一度取り出す
鍋で牛肉を調理する際の手順には、美味しさを引き出すための大切な工夫が施されています。まず中火で牛肉をいりつけ、肉の色が変わったところで煮汁用のみそを加えます。ここでみそをしっかりと肉といっしょにいりつけることで、みそが香ばしく焼け、豊かな風味が生み出されます。
そして、香ばしく焼けたら牛肉を一度鍋から取り出すことが極意です。肉をずっと煮続けずに途中で戻し入れることにより、肉が硬くなるのを防ぎ、存在感のあるふっくらとした煮上がりに仕上げることができます。
仕上げにしょうゆを加えて味を調える
味付けの最終段階における仕上げの味加減には、日本の伝統的な発酵調味料の絶妙な組み合わせが活かされています。ベースとなるみその旨味に加えて、里芋が柔らかく煮えた後の段階でみりんとねぎを加え、さらに10分間煮込んだ後、最後にしょうゆを加えることで全体の味を調えます。
みそとしょうゆという2つの異なる発酵調味料を重ねて使用することにより、それぞれの持つコクと香りが調和し、深みと奥行きのある奥深い味わいが完成します。最後のしょうゆによる絶妙な味の引き締めが、全体の美味しさを決定づけます。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
みそとしょうゆの奥深い味わいと、牛肉の旨味、里芋のねっとりとした食感が特徴の芋煮には、日本の伝統的なお酒だけでなく、ワインを合わせるのも非常に魅力的な選択肢です。特に相性が良いのは、少し熟成感のある軽やかからミディアムボディの赤ワインです。
例えば、日本のマスカット・ベーリーエーを使用した赤ワインは、華やかな香りと柔らかな渋みがみそのコクや牛肉の脂の甘味と見事に調和します。また、フランスのブルゴーニュ地方のピノ・ノワールもおすすめです。
上品な酸味と繊細なタンニンの風味が、ごぼうの土っぽい香りと里芋の優しい甘味を引き立て、お互いの美味しさを高め合います。白ワインを合わせる場合は、樽熟成を軽めを行ったシャルドネのような、コクとまろやかさのあるタイプを選ぶと、みそ仕立ての煮汁にしっかりと寄り添ってくれます。
保存テクニックと温め直し方
完成した芋煮を保存する場合は、しっかりと冷ましてから清潔な保存容器に移し、密閉して冷蔵庫で保管してください。冷蔵保存での日持ちの目安は、2日から3日程度です。食べる分だけをその都度鍋に取り分けて、中心部までしっかりと加熱してからいただくようにしてください。
時間が経つにつれて里芋やこんにゃく、ごぼうに煮汁の旨味がじっくりと染み込み、作った当日とはまたひと味違った深みのある美味しさを楽しむことができます。ただし、ねぎの色合いや牛肉の食感が変わりやすいため、できるだけ早めに消費することをおすすめします。
なお、里芋は冷凍すると食感が著しく変化してスカスカになってしまうため、このレシピの芋煮は冷凍保存には向いていません。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、日本の伝統的な家庭料理の魅力を伝える土井善晴さんの「芋煮」のオリジナルレシピをご紹介しました。このレシピは、里芋、牛肉、こんにゃく、ごぼう、ねぎといった豊かな食材を贅沢に使い、みそとしょうゆの2つの発酵調味料で奥深い味わいに仕上げる至高の一品です。
旬の里芋をナイフでこそげて旨味を逃さない下処理や、牛肉をみそといりつけて一度取り出す丁寧な工程など、随所に美味しさを最大化するための知恵が詰まっています。それぞれの食材が持つ本来の味が引き立ち、鍋一つで心も体も温まる素晴らしい煮物が完成します。
特別な調味料を使わず、身近な材料だけでこれほどまでに深いコクと満足感を得られるのは、まさにプロフェッショナルな職人の技によるレシピだからこそです。ぜひ日々の食卓に取り入れて、その感動的な美味しさを体験してみてください。
