今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「とうもろこしとスペアリブの塩煮」をご紹介します。旬のとうもろこしが持つ弾けるような自然な甘みと、骨付き豚肉ならではの濃厚で力強いうまみが絶妙に交わる、素材の持ち味を最大限に引き出した一品です。調味料は驚くほどシンプルで、粗塩と酒のみ。
だからこそ、スペアリブにあらかじめしっかりと塩をなじませておく下ごしらえが味の決め手となります。じっくりと時間をかけて塩を打つことで肉の余分な水分が抜け、代わりにうまみがギュッと凝縮されます。
そして、とうもろこしを煮る際には、むいた皮を落としぶた代わりに使うという無駄のない素晴らしい工夫も土井善晴さん直伝の知恵です。コーンの風味がスープ全体に行き渡り、ごちそう感あふれる極上の塩煮が完成します。お鍋一つでコトコトと煮込むだけのシンプルな工程ながら、食卓の主役を張れる圧倒的な存在感。
週末のゆっくりとした時間や、おもてなしの席にもぴったりなこのレシピを、ぜひご家庭でお試しください。
【土井善晴さんのレシピ】とうもろこしとスペアリブの塩煮の作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食3
servings15
minutes40
minutes650
kcal55
minutes今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「とうもろこしとスペアリブの塩煮」をご紹介します。旬のとうもろこしが持つ弾けるような自然な甘みと、骨付き豚肉ならではの濃厚で力強いうまみが絶妙に交わる、素材の持ち味を最大限に引き出した一品です。調味料は驚くほどシンプルで、粗塩と酒のみ。
材料
とうもろこし 2本
豚スペアリブ 600g(8~10cm長さ)(家庭では切りにくいので、 長ければ精肉店で切ってもらうとよい。)
塩 18g(肉の重量の3%。ミネラルの多い粗塩がよい。)
【A】
酒 カップ1
水 カップ4
作り方
- スペアリブは全体に塩18gをまぶし、肉から水けがにじみ出てくるまで2時間~一晩(最低でも1時間30分ほど)おく。前日に準備する場合は、冷蔵庫に入れておく。
- ポイント
- ここで塩をじっくりとなじませたほうが、塩味がきいて肉のうまみがガツンと引き立ちます。
- 表面の水けを拭き取って鍋に入れ、【A】を加える。強火で煮立ててアクを取り、中火にして30分間、ふたをせずに煮る。
- ポイント
- 中火でしっかり煮ることで、肉の身離れがよくなり、気持ちよくいただけます。
- とうもろこしは皮をむいてひげを取り、長さを2~3等分に切る。
- ポイント
- 切り方は輪切りでも、縦に二つ割り、四つ割りでも。棒状にするときは、とうもろこしを立てて切ると、実がつぶれません。
- 2 の鍋に加え、皮を数枚、落としぶたのようにかぶせる。鍋のふたをして弱火で約10分間、とうもろこしに火が通るまで蒸し煮にする。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (とうもろこしとスペアリブの塩煮)
とうもろこしとスペアリブの塩煮を美味しく作る3つの極意
スペアリブへの入念な塩打ちでうまみを引き出す
このレシピ最大のポイントは、豚スペアリブに対して重量の3%(18g)というしっかりとした量の塩をまぶし、じっくりとなじませることです。肉から水けがにじみ出てくるまで、最低でも1時間30分、できれば2時間から一晩おいてください。
この工程により、浸透圧で肉の余分な水分と臭みが抜け、代わりにミネラル豊かな粗塩の塩味が内部までしっかりと浸透します。結果として、加熱した際に肉のうまみがガツンと引き立ち、シンプルな味付けとは思えないほどの深いコクと力強い味わいを堪能できるようになります。
ふたをせずに中火で30分煮込み、身離れを良くする
表面の水分を拭き取ったスペアリブを鍋に入れ、酒と水を加えたら、まずは強火でしっかりとアクを取り除きます。その後は中火に落とし、ふたをせずに30分間じっくりと煮込んでいきます。ふたをしないことで肉の臭みをアルコールと共に揮発させながら、スープのうまみを適度に煮詰める効果があります。
また、中火で30分という時間をかけてしっかりと加熱することで、骨の周りの筋やコラーゲンが柔らかくなり、食べる際に肉がホロリと骨から外れる、非常に身離れの良い絶妙な食感に仕上がります。
とうもろこしの皮を落としぶたにして風味を閉じ込める
とうもろこしは実だけでなく、むいた皮も立派な調理アイテムとして活用します。鍋にとうもろこしを加えた後、数枚の皮をまるで落としぶたのようにかぶせ、さらに鍋のふたをして弱火で約10分間蒸し煮にします。
皮で覆うことによって鍋の中の蒸気が効率よく循環し、とうもろこしの実がふっくらとみずみずしく火が通るだけでなく、皮そのものが持つ青々とした爽やかな香りと甘みが煮汁や肉に移ります。無駄をなくしつつ、素材の風味を余すところなく料理全体にまとわせる、非常に合理的で効果的なテクニックです。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
とうもろこしの優しい甘みと、塩気とうまみが凝縮された豚スペアリブの味わいには、豊かな果実味と程よい酸味を持つ白ワインや、軽めの赤ワインが非常によく合います。白ワインであれば、フランスのアルザス地方やドイツで作られるやや辛口の「リースリング」がおすすめです。
リースリング特有のフルーティーな香りとミネラル感が、粗塩で引き立てられた豚肉のうまみと絶妙に調和し、とうもろこしの甘さをすっきりとまとめてくれます。また、赤ワインを合わせる場合は、渋みが少なく果実味が豊かな「ピノ・ノワール」や「ガメイ」がぴったりです。
少し冷やして飲むことで、塩煮のさっぱりとした後味に寄り添い、食事の満足感をより一層高めてくれるでしょう。和食の枠を超えて、ワインとのマリアージュも存分にお楽しみいただけます。
保存テクニックと温め直し方
粗熱が完全に取れてから、清潔な保存容器に移し替えて冷蔵庫で保存してください。保存の目安は冷蔵で約2〜3日程度です。冷めると豚スペアリブから溶け出したゼラチン質と脂が表面で白く固まりますが、うまみの塊ですので取り除かず、食べる際に再度お鍋や電子レンジでしっかりと温め直してお召し上がりください。
温めることで再びスープが液状に戻り、お肉も柔らかく美味しくいただけます。とうもろこしは時間が経つと食感が変わりやすいため、早めに召し上がることをおすすめします。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さんのレシピ「とうもろこしとスペアリブの塩煮」は、豚肉の強烈なうまみと旬のとうもろこしの甘みを、塩と酒だけでシンプルかつ最大限に引き出した究極の家庭料理です。事前の塩打ちに時間をかけることで肉のポテンシャルを引き出し、中火でじっくり煮込むことでホロホロの身離れを実現します。
さらに、とうもろこしの皮を落としぶたとして活用するエコロジーかつ風味豊かな調理法は、素材を慈しむ料理の原点を教えてくれます。調味料が少ないからこそ、一つ一つの工程を丁寧に行うことが味の決め手となり、出来上がった時の感動もひとしおです。
見た目にもダイナミックでボリューム満点、スープの最後の一滴まで飲み干したくなるほど滋味深い塩煮を、ぜひあなたのご家庭の定番メニューに加えてみてください。
