今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんのレシピ「新たまねぎのけったん」をご紹介します。旬の新たまねぎが持つ驚くほどの甘みと、牛肉の濃厚な旨味が見事に調和した、シンプルながらも奥深い味わいの一品です。
新たまねぎは水分が多くて柔らかく、熱を加えることでとろけるような食感と豊かな甘さが引き出されます。このレシピでは、たっぷり600gもの新たまねぎを使用し、牛肉と一緒にフライパン一つで手軽に仕上げていきます。
特別な調味料は一切使わず、塩とサラダ油のみという潔さが、素材本来の持ち味を最大限に生かす土井善晴さんならではのアプローチです。忙しい日の夕食にもぴったりな手軽さでありながら、食卓の主役を張れる満足感のあるおかずになります。
新たまねぎが出回る季節にはぜひ何度も作っていただきたい、素材の美味しさを存分に味わえる至極のレシピです。毎日の食卓が豊かになること間違いなしの絶品おかずを、ぜひご家庭でお試しください。
【土井善晴さんのレシピ】新たまねぎのけったんの作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食2
servings5
minutes10
minutes480
kcal15
minutes今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんのレシピ「新たまねぎのけったん」をご紹介します。旬の新たまねぎが持つ驚くほどの甘みと、牛肉の濃厚な旨味が見事に調和した、シンプルながらも奥深い味わいの一品です。
材料
牛ロース肉(薄切り) 200g(牛切り落とし肉でもよい。)
新たまねぎ 2~3コ(600g)
サラダ油
塩
作り方
- たまねぎは皮をむいて、芯をくりぬく。横半分に切り、水につけながら輪状にほぐす。
- ポイント
- 水の中だと、輪の隙間に水が入って、ほぐれやすくなる。
- フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、水けがついたままのたまねぎを、強めの中火で動かさずに焼く。焼き色がついてきたら、塩少々をふり、ややしんなりするまで炒める。
- ポイント
- ここでの塩は味つけというより新たまねぎの甘みを引き出す役割。入れすぎないように意識して。
- 牛肉をたまねぎの上にかぶせるようにして広げ、塩少々をふる。フライパンにふたをして、ごく弱火で約6分間蒸し焼きにする。
- ふたを取り、強火にしてざっくりと混ぜ合わせて器に盛る。
- ポイント
- 肉の色がほぼ変わり、肉汁が落ちてたまねぎに肉の味が移ったところで、上下を返すように混ぜる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (新たまねぎのけったん)
新たまねぎのけったんを美味しく作る3つの極意
水の中でたまねぎをほぐす
新たまねぎの準備における重要なポイントは、水につけながら輪状にほぐすことです。新たまねぎを横半分に切った後、そのまま手で無理に外そうとすると、柔らかい組織が傷ついたり割れたりしてしまうことがあります。
しかし、水の中で作業を行うことで、たまねぎの輪の隙間に自然と水が入り込み、摩擦が減って驚くほどスムーズにほぐれやすくなります。また、水けがついた状態のままでフライパンに入れることで、焼く際の適度な蒸気となり、新たまねぎに早く火が通りやすくなるというメリットもあります。
丁寧にほぐすことで均一に火が入り、仕上がりの食感も良くなります。
甘みを引き出すための少量の塩
たまねぎを焼く工程で振る塩は、単なる味付けのためではなく、新たまねぎが持つ本来の甘みを最大限に引き出すという重要な役割を担っています。強めの中火で動かさずに焼き色をつけ、ややしんなりしてきたタイミングで塩を少々振ることで、浸透圧の働きによりたまねぎの水分とともに旨味と甘味が凝縮されます。
ここで塩を入れすぎてしまうと、たまねぎの優しい風味が損なわれて塩辛くなってしまうため、あくまで「甘みを引き出すための役割」であることを意識して、分量には十分に注意してください。このひと手間が、料理全体の味わいの土台を決定づけます。
牛肉をかぶせてごく弱火で蒸し焼きにする
たまねぎの上に牛肉を広げてかぶせ、ふたをしてごく弱火で約6分間蒸し焼きにする工程は、この料理の最大のハイライトです。この方法をとることで、牛肉から出る豊かな脂と旨味たっぷりの肉汁が、下にある新たまねぎに落ちてしっかりと染み込みます。
ごく弱火でじっくりと加熱することで牛肉が硬くなるのを防ぎ、ふっくらと柔らかな食感に仕上がります。
約6分後、肉の色がほぼ変わり、肉の味がたまねぎに十分に移った絶好のタイミングでふたを開け、強火にして上下を返すようにざっくりと混ぜ合わせることで、フライパン全体の水分を適度に飛ばしながら、肉と野菜の旨味が完璧に一体化します。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
「新たまねぎのけったん」は、新たまねぎの優しい甘みと牛肉のしっかりとしたコクが特徴的な和食のおかずですので、合わせるお酒も素材の味を邪魔しない軽やかなものがおすすめです。
ワインを合わせるなら、タンニンが控えめで果実味の豊かな軽めの赤ワイン、例えばピノ・ノワールやマスカット・ベーリーAなどがよく合います。牛肉の旨味に寄り添いつつ、たまねぎの甘みと見事なマリアージュを奏でてくれます。
また、キリッと冷やした辛口の日本酒や、スッキリとした味わいの麦焼酎の炭酸割りなども、牛肉の脂を流して口の中をリフレッシュさせてくれるため非常に相性が良いです。
副菜には、酸味を効かせたトマトの和え物や、さっぱりとしたワカメとキュウリの酢の物などを添えると、献立全体の味のバランスが整い、最後まで飽きずに美味しく楽しむことができます。
保存テクニックと温め直し方
粗熱が完全に取れてから、清潔な密閉容器に入れて冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存での日持ちは、調理の翌日から約2日程度を目安にお早めにお召し上がりください。食べる際は、電子レンジで中心部までしっかりと温め直すか、フライパンに移して弱火で加熱してください。
ただし、牛肉は再加熱すると少し硬くなりやすいため、温めすぎには十分に注意が必要です。また、水分が多く冷凍には不向きな新たまねぎを使用しているため、食感を損なわないためにも冷凍保存は避け、冷蔵期間内に美味しく食べ切ることをおすすめします。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した土井善晴さんの「新たまねぎのけったん」は、新たまねぎという旬の恵みと牛肉の旨味を、フライパン一つで究極にシンプルに味わうことができる素晴らしいレシピです。
たまねぎを水の中でほぐす下ごしらえの工夫や、甘みを引き出すための絶妙な塩使い、そして牛肉をかぶせて蒸し焼きにすることで肉汁を余すところなくたまねぎに吸わせるという調理のテクニックは、日常の家庭料理をワンランクアップさせる確かな知恵が詰まっています。
味付けは塩だけという潔さだからこそ、素材そのものの品質やポテンシャルがストレートに舌に伝わり、心も体も満たされるような優しい味わいを生み出しています。忙しい日の献立にも、旬を感じたい休日の食卓にも、幅広く活躍してくれる心強い一品です。
ぜひこの機会に、ご家庭のキッチンで土井善晴さんのレシピを実践し、素材が持つ本当の美味しさを堪能してみてください。
