今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「香味豚カツ」をご紹介します。いつもの豚カツとはひと味違う、甘長とうがらしとたっぷりのねぎを使った特製ダレが食欲をそそる大満足の一品です。
このレシピの最大の特徴は、豚肩ロース肉を「冷たい油から揚げる」という手法と、豆板醤のピリッとした辛味が効いた甘酸っぱい特製の香味ダレをたっぷりとかける点にあります。
生パン粉をまとわせた豚肉を冷たい油からじっくりと中火で火を入れていくことで、お肉が急激に縮んで硬くなるのを防ぎ、驚くほどジューシーで柔らかく仕上がります。さらに、ねぎは独特の「じゃばら切り」をしてから刻むことで、ペースト状にならずにザックリとした心地よい食感を生み出しています。
特製ダレの調味料の割合は「1:1:1:1」と非常に覚えやすく、米酢の爽やかな酸味と豆板醤の辛味、ごま油の香りが渾然一体となって、ボリューム満点の豚カツをさっぱりと味わうことができます。
土井善晴さん直伝の、本格的ながらもご家庭で実践しやすい素晴らしいレシピですので、ぜひ今日の夕食のメインディッシュとして作ってみてください。
【土井善晴さんのレシピ】香味豚カツの作り方
Course: 主菜Cuisine: 和食2
servings15
minutes15
minutes760
kcal30
minutes今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「香味豚カツ」をご紹介します。いつもの豚カツとはひと味違う、甘長とうがらしとたっぷりのねぎを使った特製ダレが食欲をそそる大満足の一品です。
材料
豚肩ロース肉 2枚(1枚120g。)
甘長とうがらし 90g
ねぎ 1本(120g)
溶き卵 適量
生パン粉 適量(食パンをフードプロセッサーで細かくしたもの。)
豆板醤(トーバンジャン) 小さじ1
塩
小麦粉 適量
揚げ油
サラダ油 大さじ2
ごま油 大さじ1
【A】
米酢 大さじ2
酒 大さじ2
うす口しょうゆ 大さじ2
砂糖 大さじ2
作り方
- 甘長とうがらしはヘタを除き、小口切りにする。ねぎはじゃばらに切り、小口から刻んでみじん切りにする。
- ポイント
- ねぎを半分に切って並べ、斜めに半分の深さくらいまで切り、端まできたら裏返して、同様に切り込みを入れます。これを小口から切ると、ザックリおいしく刻めます。
- 豚肉は両面に薄く塩をふり、小麦粉適量をまぶし、余分な粉を落として溶き卵にくぐらせ、余分な卵液をきって、生パン粉をまぶしつける。
- ポイント
- おいしい食パンでつくったパン粉は、おいしく揚がります。
- フライパン(直径20cm)に揚げ油を1cm弱の深さまで入れ、冷たいところに 2 を入れて中火にかける。温度が上がったら火を弱めて返し、おいしそうな揚げ色がつくまで、7分間ほど揚げる。
- 別のフライパンにサラダ油大さじ2を熱し、 1 のとうがらしを入れて炒め、豆板醤小さじ1を加えていりつける。
- 4 に 1 のねぎと【A】を加え、火を強めて炒め合わせる。仕上げにごま油大さじ1を加えてサッと混ぜる。
- ポイント
- 調味料の割合は1:1:1:1です。
- 3 を食べやすい大きさに切って器に盛り、 5 をかける。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (香味豚カツ)
香味豚カツを美味しく作る3つの極意
ねぎの「じゃばら切り」でザックリとした食感を生み出す
このレシピにおいて特製の香味ダレの美味しさを決定づけるのが、ねぎの切り方です。単なるみじん切りにするのではなく、「じゃばら切り」にしてから刻むのが最大のポイントになります。
具体的には、ねぎを半分に切って並べ、斜めに半分の深さくらいまで切り込みを入れ、端まできたら裏返して同様に切り込みを入れてから小口切りにします。このひと手間を加えることで、ねぎの繊維が程よく断ち切られつつも、水っぽくならずにザックリとした心地よい食感を残すことができます。
豚カツと一緒に口に運んだ際のシャキシャキとした食感が、料理全体の完成度を格段に引き上げます。
豚カツは「冷たい油」からじっくりと揚げる
豚カツを揚げる際、一般的なレシピでは高温の油に投入することが多いですが、このレシピでは「冷たい油から揚げる」という手法をとります。フライパンに揚げ油を1cm弱の深さまで入れ、油が冷たい状態のまま衣をつけた豚肉を入れ、そこから中火にかけます。
温度が上がってきたら火を弱めて返し、合計7分間ほどかけてじっくりとおいしそうな揚げ色がつくまで火を通します。冷たい状態から徐々に温度を上げることで、豚肩ロース肉が急激に収縮してパサつくのを防ぎ、肉汁を閉じ込めたまま驚くほどジューシーで柔らかい食感に仕上げることができます。
特製香味ダレの調味料は「1:1:1:1」の黄金比
揚げたての豚カツにかける特製香味ダレの味付けは、「米酢、酒、うす口しょうゆ、砂糖」の4つの調味料をすべて大さじ2ずつ、つまり「1:1:1:1」の黄金比で合わせるのがポイントです。この非常にシンプルで覚えやすい配合により、甘み、酸味、塩味、旨味が完璧なバランスで調和します。
ここに炒めた甘長とうがらしと豆板醤のピリッとした辛味、そして仕上げに加えるごま油大さじ1の豊かな香りが合わさることで、食欲を刺激する奥深い味わいのタレが完成します。計量の手間が少なく、いつでも味がブレることなくピタリと決まる素晴らしい工夫です。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
この「香味豚カツ」は、豆板醤のピリッとした辛味と米酢の効いた甘酸っぱい香味ダレが特徴的なので、ワインを合わせるなら果実味がありつつも酸味のバランスが良いロゼワインや、軽めの赤ワインが非常によく合います。
例えば、フランス産の「タヴェル・ロゼ」のような、しっかりとした骨格とスパイシーなニュアンスを持つロゼワインは、豚肉の脂の甘味と豆板醤の風味に美しく寄り添います。また、赤ワインであれば、軽く冷やして美味しい「ボジョレー」などのガメイ種のワインや、軽快な「ピノ・ノワール」がおすすめです。
タレの酸味がワインのフルーティーさを引き立て、口の中の油をすっきりと流してくれます。ビールであれば、華やかなホップの香りが特徴の「インディア・ペールエール」を合わせると、甘長とうがらしの青い風味と見事なマリアージュを奏でます。
保存テクニックと温め直し方
豚カツは揚げたてのサクサクとした衣の食感と、ジューシーな肉の旨味を味わうのが一番美味しいので、できるだけ出来立てをお召し上がりいただくことをおすすめします。どうしても保存が必要な場合は、豚カツと香味ダレは必ず別々の密閉容器に入れて保存してください。豚カツは冷蔵庫で1〜2日程度保存可能です。
食べる際は、オーブントースターなどで温め直すと、衣のサクサク感が復活しやすくなります。香味ダレも冷蔵庫で2〜3日保存できますので、軽く温め直してからかけてください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した土井善晴さん直伝の「香味豚カツ」は、いつもの定番メニューである豚カツを、ご家庭でワンランク上のごちそうへと昇華させてくれる素晴らしいレシピです。冷たい油からじっくりと揚げることで引き出される豚肩ロース肉の圧倒的な柔らかさとジューシーさは、一口食べればその違いに驚くことでしょう。
そして、ねぎのじゃばら切りによって生み出されるザクザクとした食感と、1:1:1:1の覚えやすい黄金比で作る甘酸っぱくピリ辛な特製香味ダレが、濃厚な揚げ物をさっぱりと、かつ無限に食べ進めたくなるような魅惑の味わいに仕上げてくれます。
甘長とうがらしの風味と豆板醤の辛味が食欲を大いに刺激し、白いご飯にはもちろん、様々なお酒のお供にもぴったりです。工程一つ一つに理にかなった美味しさの秘密が詰まったこのレシピを通して、作る楽しさと食べる喜びを存分に味わってみてください。
