今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんの「白菜漬け」のレシピをご紹介します。冬の食卓に欠かせない白菜漬けですが、正しい手順と塩分量で作ることで、白菜本来の甘みと旨味が引き立つ絶品の味わいになります。
土井善晴さんのレシピは、白菜の重さに対してきっちり4%の塩を計量し、まずは重しをしっかりかけて下漬けを行うという、基本に忠実で誰でも失敗なく作れる丁寧な工程が特徴です。
半日間陰干しして余分な水分を抜き、甘みを凝縮させるひと手間や、昆布と赤とうがらしを効かせた本漬けのプロセスなど、ご家庭でおいしい漬物を漬けるための知恵がたっぷりと詰まっています。手作りの白菜漬けは、市販のものとは一味違う、乳酸発酵によるさわやかな酸味と深いコクが楽しめます。
毎日のご飯のお供にはもちろん、お茶請けや晩酌のおつまみとしても最高の一品です。白菜が美味しくなる季節に、ぜひこの本格的な白菜漬けに挑戦して、季節の手仕事の楽しさと豊かな食卓を味わってみてください。
【土井善晴さんのレシピ】白菜漬けの作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食40
servings30
minutes20
minutes15
kcal50
minutes今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さんの「白菜漬け」のレシピをご紹介します。冬の食卓に欠かせない白菜漬けですが、正しい手順と塩分量で作ることで、白菜本来の甘みと旨味が引き立つ絶品の味わいになります。
材料
白菜 2コ(4kg)
塩 160g(白菜の重さの4%。白菜の重さを量り、塩の量を計算する。)
昆布(10cm四方) 6~7枚(50g)
赤とうがらし 6~7本
作り方
- 白菜は外側の葉を2~3枚外し、根元に包丁で十文字に切り込みを入れて、手で裂いて四つに割る。外した外葉はとっておく。
- 1 をざるなどに広げ、半日間ほど陰干しにする。外側の葉も一緒に干す。
- 大きな漬けだるの底に塩を1握りふり、その上に白菜を隙間なくひと並べし、塩をふる。さらに白菜を重ねて並べ、塩をふる。これを繰り返し、最後にとりおいた外側の葉をかぶせて塩をひとふりして分量の塩を使いきる。
- 3 に押しぶたをし、白菜の重さの2倍(8kg)のおもしをする。
- 1~2日間おくと、水が上がる。
- ポイント
- 下漬けの時間は、白菜によって1日で水が上がるもの、2日で上がるもの、2日でも上がらないものもある。そのときは、上下を返してもう1日おく。
- 小さな漬けだるを横において、本漬けの準備をする。
- 水の上がった白菜のおもしを外し、白菜の水けを一つずつ軽く絞って小さな漬けだるに移す。
- 白菜の間に昆布と赤とうがらしを適量入れる。
- 8 の表面にラップをかけて押しぶたをし、下漬けの半分の重さ(4kg)のおもしをする。
- ポイント
- ここで1/4株くらいを取り出していただくと、少量になり、おもしがきかなくなるので、即席漬け器などに移しておもしをきかせる。即席漬け器に移してからは、おもしをきちんときかす、という感じ。強すぎても弱すぎてもおいしさを損ねる。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (白菜漬け)
白菜漬けを美味しく作る3つの極意
白菜を半日陰干しして旨味を凝縮させる
白菜を漬け込む前に、四つ割りにした白菜と外側の葉をざるなどに広げて半日間ほど陰干しにすることが非常に重要なポイントです。日光に当てすぎず風通しの良い日陰で干すことで、白菜の余分な水分が適度に抜け、その分、白菜本来の甘みと旨味がギュッと凝縮されます。
また、水分が減ることで塩の入りが均一になり、漬け上がりの食感もシャキッとした心地よい歯ごたえに仕上がります。干さずにそのまま漬けると水っぽくなりやすく、日持ちも悪くなってしまうため、このひと手間を惜しまずに行うことが、本格的な味わいを生み出すための大切な第一歩となります。
白菜の重さの4%の塩と、2倍の重しで下漬けする
美味しい白菜漬けを作るためには、塩の量と重しの重さを正確に計ることが絶対条件です。白菜の重量(今回は4kg)に対してきっちり4%(160g)の塩を用意し、底から隙間なく敷き詰めるように白菜を重ねながら塩を振っていきます。
そして、最初は白菜の重さの2倍(8kg)というしっかりとした重しをかけることで、白菜から素早く水分を引き出し、空気に触れてカビが生えたり傷んだりするのを防ぎます。1〜2日おいて水が上がってくるまでのこの下漬けの工程が、漬物の骨格を形成します。
水が上がりにくい場合は上下を返すなど、状態をよく観察しながら丁寧に対応することが成功の秘訣です。
水が上がった後の本漬けと、重しの適切な調整
下漬けでしっかりと水が上がったら、軽く水気を絞って小さな漬けだるに移し、昆布と赤とうがらしを挟んで本漬けへと移行します。このとき、重しを下漬けの半分の重さ(4kg)に減らすことが極めて重要です。水分が抜けてかさが減った白菜に強すぎる重しをかけ続けると、繊維が潰れて食感が損なわれてしまいます。
逆に軽すぎても美味しく仕上がりません。また、食べていくうちに量が減ってきた場合は、大きな容器のままでは重しが均等に効かなくなるため、即席漬け器などの小さな容器に移し替え、常に適度な圧力がかかるように調整してください。強すぎず弱すぎない絶妙な圧力を保つことが、最後まで美味しくいただくためのコツです。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
土井善晴さんの白菜漬けは、昆布の深い旨味と赤とうがらしのピリッとした辛味、そして自然な乳酸発酵による心地よい酸味が特徴です。もちろん炊きたての白いご飯や温かいお茶との相性は抜群ですが、お酒のおつまみとしても非常に優秀です。
ワインと合わせるなら、発酵による酸味と同調するスッキリとした白ワインがおすすめです。例えば、日本の固有品種である甲州を使った白ワインは、柑橘系の爽やかな香りとキリッとした酸味が白菜漬けの繊細な風味に寄り添い、昆布の出汁感とも見事に調和します。
また、ドイツの辛口のリースリングなども、ミネラル感とシャープな酸が漬物の酸味と見事にマッチします。赤ワインの場合は、ピノ・ノワールやガメイなどの軽やかでフルーティーなタイプを少し冷やして合わせると、白菜の甘みや唐辛子のアクセントと良いバランスを生み出します。
保存テクニックと温め直し方
本漬けが完了して美味しく漬かり上がった白菜漬けは、発酵が進みすぎないように保存環境に気をつける必要があります。保存する際は、清潔な保存容器や密閉できるタッパー、または即席漬け器などに移し替え、必ず冷蔵庫の冷蔵室や野菜室などの冷暗所で保存してください。
常温に置いておくと乳酸発酵が急激に進み、酸味が強くなりすぎたり風味が落ちてしまう原因となります。取り出す際は必ず清潔な箸を使用し、雑菌の繁殖を防ぐことが長持ちさせるコツです。
食べる分量が減ってきたら、容器のサイズを小さくして適度な重しを効かせることで、食感と風味を保ったまま美味しく保存することができます。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回ご紹介した土井善晴さんの「白菜漬け」は、日本の伝統的な食文化の豊かさを家庭で手軽に味わえる素晴らしいレシピです。
白菜の重量を正確に量り、4%の塩分と適切な重しを使って下漬けを行い、そこから本漬けへと移行していくという論理的かつ丁寧な工程を踏むことで、誰でも失敗なく本格的なお漬物を作ることができます。
半日の陰干しによって引き出された白菜の甘みと、昆布の旨味、唐辛子の風味が絶妙に絡み合い、日が経つごとに深まる発酵の味わいは、市販品では決して味わえない手作りならではの贅沢です。少し手間と時間はかかりますが、その分だけ食卓に並んだときの喜びはひとしおです。
毎日のご飯のお供として、また心温まる家庭の味として、この基本の白菜漬けレシピをぜひ皆様の定番メニューに加えていただき、旬の白菜の美味しさを余すところなくご堪能ください。
