今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さん直伝の「オニオングラタンスープ」のレシピをご紹介します。寒い季節はもちろん、特別な日のディナーや朝食にもぴったりの、心も体も温まる本格的な洋食スープです。
オニオングラタンスープといえば、たまねぎを何時間もかけて飴色になるまで炒めるイメージがあり、ハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。
しかし、土井善晴さんのレシピでは、強火で効率よく炒めながら、途中で水を加えて「乳化」させるという独自の丁寧なプロセスを取り入れることで、短時間で驚くほど深いコクと旨味を引き出します。
じっくりと引き出されたたまねぎの自然な甘みと、香ばしいにんにくの風味、そしてスープを吸ったフランスパンにとろけるグリュイエールチーズの組み合わせは、まさに至福の味わいです。家庭料理の枠を超えた、プロの技が詰まった極上の味わいを、ぜひご自宅の食卓で再現してみてください。
【土井善晴さんのレシピ】オニオングラタンスープの作り方
Course: スープCuisine: 洋食2
servings15
minutes30
minutes420
kcal45
minutes今回は、日本を代表する料理研究家である土井善晴さん直伝の「オニオングラタンスープ」のレシピをご紹介します。 寒い季節はもちろん、特別な日のディナーや朝食にもぴったりの、心も体も温まる本格的な洋食スープです。
材料
たまねぎ 2コ(500g)
にんにく 1かけ
バター(食塩不使用) 30g(食塩使用の場合は、加える塩の量を控えめに。)
チキンスープ カップ3
グリュイエールチーズ(塊) 約60g(エメンタールなど、好みのナチュラルチーズでもよいが、程よく塩分のあるグリュイエールがおすすめ。 塊が手に入らなければ、細切りのもの(シュレッドタイプ)でも可。)
フランスパン 1/4本
塩
こしょう
作り方
- たまねぎは半分に切って、縦に薄切りにする。にんにくは粗みじん切りにする。フランスパンは1cm厚さに切り、オーブントースターでこんがりと焼く。
- 厚手の鍋にバターとにんにくを入れて火にかけ、温まったらたまねぎを加えて強火で炒める。底のほうから木べらで時々混ぜながら、12~13分間炒める。
- ポイント
- 混ぜすぎると水分が出て焼き色がつきません。少しほったらかして、色がついてきたら混ぜる、を繰り返します。
- 薄いきつね色になったら、水カップ1/2を加え、強火で混ぜながら煮詰めてバターとたまねぎを乳化させる。
- ぽってりとしたら再び水カップ1/2と塩小さじ1/3を加えて混ぜる。十分熱くなったところにチキンスープを2回に分けて加え、そのつど混ぜながら煮立てる。塩・こしょう各適量で味を調える。
- 耐熱容器に 4 を等分に入れて 1 のパンをのせ、チーズをたっぷりおろしてかける。200~220℃に温めたオーブンに入れ、チーズが溶けて焼き色がつき、グツグツとするまで10~15分間焼く。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (オニオングラタンスープ)
オニオングラタンスープを美味しく作る3つの極意
強火で少しほったらかしながら炒めて焼き色をつける
厚手の鍋にバターとにんにくを入れて火にかけ、温まったらたまねぎを加えて強火で12~13分間炒めますが、このときの混ぜ方が最大の重要ポイントです。絶えず混ぜすぎてしまうと、たまねぎから余分な水分がどんどん出てしまい、きれいな焼き色がつきにくくなります。
そのため、底のほうから木べらで時々混ぜる程度にとどめ、少しほったらかしてたまねぎに自然な色がついてきたら底からひっくり返すように混ぜる、という工程を繰り返します。こうすることで、たまねぎの表面がしっかりとキャラメライズされ、スープのベースとなる深いコクと香ばしさを短時間で生み出すことができます。
途中で水を加えて強火で混ぜ、バターとたまねぎを乳化させる
たまねぎが薄いきつね色になったタイミングで、水カップ1/2を投入し、強火で混ぜながら一気に煮詰めていきます。このプロセスは、炒めたたまねぎの旨味と鍋底の焦げを水に溶かし出し、バターの脂分と一体化させて「乳化」させるための大切な工程です。
水分が飛んでぽってりとした状態になったら、さらに再び水カップ1/2と塩小さじ1/3を加えて混ぜ合わせます。
このように段階的に水を加えてしっかりと乳化させることで、たまねぎの甘みとバターのまろやかさが完全に調和し、ただ煮出すだけでは決して得られない、濃厚でとろけるような口当たりの極上スープの土台が完成します。
パンをトースターでしっかり焼き、チーズをたっぷりかけてグツグツ焼き上げる
フランスパンは1cmの厚さに切り、あらかじめオーブントースターでこんがりと焼き色をつけておくことが大切です。こうして水分を飛ばしておくことで、スープを適度に通しつつも完全にふやけすぎず、心地よい食感を残すことができます。
耐熱容器にスープを等分に注いだら、このパンをのせ、その上からグリュイエールチーズをたっぷりとおろしてかけます。これを200~220℃にしっかりと温めたオーブンに入れ、10~15分間焼き上げます。
チーズが完全に溶けて表面に香ばしい焼き色がつき、スープが周囲でグツグツと沸き立つまでしっかりと加熱することで、チーズの塩気とスープの一体感が生まれ、最高の状態で仕上がります。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
この濃厚なオニオングラタンスープには、程よい酸味と豊かなコクを持つ白ワインが抜群の相性を発揮します。特にフランス・ブルゴーニュ地方のシャルドネや、アルザス地方のピノ・グリなどは、バターと乳化したたまねぎの甘み、そしてグリュイエールチーズの芳醇なコクにピタッと寄り添ってくれます。
また、赤ワインを合わせる場合は、渋みが強すぎず軽やかな果実味を楽しめるボジョレーのガメイや、ライトからミディアムボディのピノ・ノワールがおすすめです。ワインの持つ爽やかな酸味が、スープの濃厚な旨味を程よく引き締め、次の一口をさらに美味しく引き立ててくれます。
お酒を飲まない場合は、香ばしくすっきりとした温かいほうじ茶や、酸味のあるストレートのリンゴジュースを合わせると、口の中がさっぱりとして最後まで飽きずに楽しむことができます。
保存テクニックと温め直し方
完成したオニオングラタンスープを保存する場合は、フランスパンとチーズをのせてオーブンで焼く前の、スープの段階で保存するのが最適です。スープが完全に冷めたら、清潔な密閉容器に移して冷蔵庫に入れてください。冷蔵での保存期間の目安は約2〜3日間です。
また、さらに長持ちさせたい場合は冷凍保存も可能で、ジッパー付きの冷凍保存袋に平らにして入れて空気を抜いて冷凍すれば、約2〜3週間ほど美味しく保てます。召し上がる際は、冷蔵の場合は鍋に移してしっかりと温め直し、冷凍の場合は前日に冷蔵庫に移して自然解凍してから温めてください。
熱々に温まったスープを耐熱容器に注ぎ、その都度トーストしたフランスパンと削ったチーズをのせてオーブンで焼き上げれば、出来立ての美味しさをいつでも手軽に再現することができます。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さん直伝のオニオングラタンスープは、シンプルな材料でありながら、調理の要所要所にプロの計算された技術が光る極上のスープです。
強火でたまねぎを「少しほったらかしながら」炒めて香ばしさを引き出し、水を加えて丁寧に「乳化」させるという手順を踏むことで、たまねぎ本来の濃厚な甘みと旨味が最大限に引き出されます。
チキンスープを加えて仕上げた深い味わいのスープに、香ばしく焼いたフランスパンと、豊かなコクを持つグリュイエールチーズをたっぷりのせてオーブンでグツグツと焼き上げる時間は、まさに料理の醍醐味と言えるでしょう。
手間がかかるイメージを一新し、効率的かつ確実に美味しく仕上がるように工夫されたこのレシピは、一度作れば我が家の定番になること間違いなしです。心も体も芯から温まる特別な一杯を、ぜひ土井善晴さんの直伝レシピで作ってみてください。
