今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「ちらしずし」をご紹介します。お祝い事やひな祭りなどの特別な日、あるいはご家族が集まる食卓にぴったりの、色鮮やかで本格的な一品です。
ちらしずしと聞くと、具材の用意が多く少し手間に感じるかもしれませんが、一つ一つの工程を丁寧に行うことで、驚くほど美味しく仕上がります。このレシピの大きな特徴は、お米をしっかりと吸水させる「洗い米」の手法を取り入れ、丁寧に取った昆布だしを使って炊き上げることです。
また、かんぴょうや焼きあなご、干ししいたけといった具材をそれぞれ最適な味付けで煮含め、煮汁ごとすし飯に混ぜ込むことで、深い旨みと豊かな香りが口いっぱいに広がります。上に飾る酢れんこんや錦糸卵、絹さや、紅しょうがが彩りを添え、目でも楽しめる華やかな仕上がりになります。
土井善晴さん直伝のこのレシピを忠実に再現することで、ご家庭でも料亭のような本格的な味わいをお楽しみいただけます。ぜひ、特別な日のメニューとして作ってみてはいかがでしょうか。
【土井善晴さんのレシピ】ちらしずしの作り方
Course: 主食Cuisine: 和食4
servings1
hour40
minutes50
minutes620
kcal150
minutes今回は、家庭料理の第一人者である土井善晴さんのレシピ「ちらしずし」をご紹介します。お祝い事やひな祭りなどの特別な日、あるいはご家族が集まる食卓にぴったりの、色鮮やかで本格的な一品です。
材料
塩
サラダ油
【すし飯】
米 600ml(カップ3)
昆布(8cm四方) 1枚
みりん 大さじ2
【すし酢】
米酢 カップ1/3
砂糖 大さじ3
塩 小さじ2
【混ぜる具】
かんぴょう 16g
焼きあなご 2本(90g)(市販。)
【A】
だし カップ3/4
砂糖 大さじ1/2
しょうゆ 大さじ2/3
【B】
酒 大さじ5
砂糖 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
【上に飾る具】
【しいたけのうま煮】
干ししいたけ(小) 12枚(40g)
干ししいたけの戻し汁 約カップ2
サラダ油 小さじ1
【C】
砂糖 大さじ4
しょうゆ 大さじ2
【酢れんこん】
れんこん 80g
【D】
だし カップ1/3
酢 カップ1/3
砂糖 大さじ1+1/2
塩 小さじ1/2
【錦糸卵】
卵 6コ
塩 少々
絹さや 100g
紅しょうが(せん切り) 適量
作り方
- 昆布は水カップ4につけ、1時間ほどおいて昆布だしをとる。具の干ししいたけは、水カップ2強に1時間以上つけて戻す。
- 米は洗ってざるに上げ、40分間ほど水きりしながら芯まで吸水させる(洗い米)。
- ポイント
- 洗い米は、乾かないようポリ袋に入れて冷蔵庫で1~2日間保存可能。「乾物」である米に水を含ませ、もとの状態に戻してから炊くと、ご飯の味がワンランクアップする。
- 洗い米を計量カップで量って炊飯器に入れ、それより1割少ない量の昆布だしを加える。みりん大さじ2を回し入れて炊く。
- ポイント
- 洗い米は乾燥の米の約1.3倍の体積に。ここでは780mlになるので、およそ700mlの昆布だしを加える。
- かんぴょうは洗って塩少々をふり、弾力が出るまでもむ。
- 塩を洗い流し、グラグラと沸かした熱湯で2~3分間ゆでる。透明感が出て柔らかくなったらざるに上げ、細かく刻む。
- 鍋に入れて【A】を加え、中火にかける。煮立ったらごく弱火にし、落としぶたをして約8分間煮る。煮汁が少し残るくらいで火から下ろす。
- 焼きあなごは頭のすぐ下の中骨をすくうように包丁の刃を入れて、頭を切り落とす。身は縦半分にし、小口切りにする。
- 鍋に入れて【B】を加え、中火にかける。煮立ったら弱火にし、落としぶたをして約8分間煮る。焦がさないように注意し、煮汁が少し残るくらいで火から下ろす。
- ご飯の炊き上がりを見はからって、【すし酢】をつくる。小鍋に【すし酢】の材料を入れて弱火にかけ、砂糖を溶かす。
- ポイント
- 温めて砂糖を溶かせばよいので、沸騰させて香りをとばさないこと。
- 炊き上がったご飯を盤台にあけ、温かい【すし酢】を回しかけ、ねかせたしゃもじで切るように混ぜる。
- かんぴょうを煮汁ごと加え、しゃもじでサックリと混ぜる。続いて 8 の焼きあなごも煮汁ごと加え、つぶさないように混ぜる。
- うちわで風を当てて表面を冷まし、上下を返す。これを繰り返して手早く粗熱を取り、ひとまとめにし、堅く絞ったぬれ布巾をかけておく。
- ポイント
- 煮汁や具をご飯になじませておくことも、おすしをおいしくするポイント。
- 【しいたけのうま煮】をつくる。戻した干ししいたけは軸を落とし、薄切りにする。鍋に入れて戻し汁を加え、中火にかける。煮立ったらアクを取って【C】を加え、落としぶたをして弱火で20分間ほど煮る。
- 落としぶたを取って、サラダ油小さじ1を回し入れ、煮汁がとんでつやが出るまでいりつける。
- 【酢れんこん】をつくる。れんこんは皮をむき、半月形の薄切りにしてサッと洗う。【D】とともに鍋に入れて中火で煮立て、透き通ったら汁ごとボウルに移して冷ます。
- 【錦糸卵】をつくる。卵をボウルに割りほぐし、塩少々を加えてよく混ぜ、ざるでこす。
- 卵焼き器を中火で十分に熱し、サラダ油を塗る。卵液を30~40mlずつ流し、片面をじっくりと、裏返して反対側をサッと焼き、取り出す。
- 粗熱が取れたら、四方の端を切り落として縦半分に切り、細切りにする。切り落とした端はみじん切りにして、【すし飯】に混ぜる。
- 絹さやはヘタと筋を取って色よく塩ゆでし、冷水にとる。
- 12 の【すし飯】をめいめいに盛り、【酢れんこん】、【しいたけのうま煮】、【錦糸卵】をのせて、絹さやと紅しょうがをあしらう。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (ちらしずし)
ちらしずしを美味しく作る3つの極意
洗い米と昆布だしによる極上のすし飯
お米を洗った後、40分間ほど水きりしながら芯まで吸水させる「洗い米」がこのレシピの最初の大きなポイントです。乾物であるお米にしっかりと水を含ませ、元の状態に戻してから炊くことで、ご飯の味が格段にアップします。
洗い米は体積が乾燥時の約1.3倍(3カップの米が約780ml)になるため、加える水分はそれより1割少ない約700mlの昆布だしを使用します。さらにみりん大さじ2を加えて炊き上げることで、すし飯自体に奥深い旨みと上品な甘みが加わります。
すし酢の扱いと具材のなじませ方
ご飯の炊き上がりに合わせて温かいすし酢を用意します。この時、砂糖を溶かすために小鍋で弱火にかけますが、絶対に沸騰させないことが重要です。沸騰させるとお酢の爽やかな香りが飛んでしまうため、温めて溶かす程度に留めます。
炊き上がったご飯に温かいすし酢を回しかけ、切るように混ぜた後、煮汁ごと具材(かんぴょう、焼きあなご)を加えます。煮汁ごとご飯になじませることでおすし全体に旨みが染み渡り、うちわで手早く粗熱を取ることでツヤのある美しいすし飯に仕上がります。
丁寧な具材の準備と彩りの仕上げ
干ししいたけは水で1時間以上戻し、戻し汁を使って落としぶたをしつつ弱火で20分間煮た後、最後にサラダ油小さじ1を加えて煮汁が飛ぶまで炒りつけます。これにより、しいたけにつやが出て旨みが凝縮されます。また、錦糸卵を作る際は、卵液に塩を加えて混ぜた後、ざるでこすことで滑らかな仕上がりになります。
粗熱を取ってから細切りにし、切り落とした端の部分は無駄にせずみじん切りにしてすし飯に混ぜ込むことで、食感のアクセントになり最後まで美味しくいただけます。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
土井善晴さんの本格的なちらしずしには、和食の繊細な旨みに寄り添うような上品なワインや日本酒がよく合います。特におすすめしたいのが、フランスのアルザス地方で作られる「リースリング」や「ピノ・グリ」といった白ワインです。
リースリングの持つ豊かなミネラル感と爽やかな酸味は、すし酢の酸味と美しく調和し、口の中をさっぱりとさせてくれます。また、ピノ・グリの少しふくよかな果実味は、じっくりと煮含めた干ししいたけの旨みや、甘辛く煮た焼きあなごの風味にぴったりと寄り添います。
日本酒を合わせる場合は、米の旨みがしっかりと感じられる純米吟醸酒をおすすめします。冷やしてワイングラスでいただくと、お酒の華やかな香りがちらしずしの豊かな香りをより一層引き立ててくれます。
保存テクニックと温め直し方
ちらしずしは冷蔵庫に入れるとご飯が硬くなり、風味が変わりやすいため、できるだけ作ってから早めに(常温の涼しい場所で保管し)その日のうちにお召し上がりいただくのが一番美味しい食べ方です。どうしても余って保存が必要な場合は、密閉容器に入れて冷蔵庫の野菜室での保存をおすすめします。
食べる直前に電子レンジでほんの少し(人肌程度に)温め直すと、お米のふんわりとした食感が戻ります。ただし、錦糸卵や絹さやは風味が落ちやすいのでご留意ください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
今回は、土井善晴さんのレシピによる本格的な「ちらしずし」の作り方をご紹介しました。洗い米という丁寧な下準備から始まり、昆布だしで炊き上げる風味豊かなご飯、そして一つ一つの具材に合わせた適切な味付けと煮含め方など、すべての工程に確かな美味しさの理由が詰まっています。
干ししいたけのうま煮や酢れんこん、美しい錦糸卵といった色とりどりの具材が重なり合うことで、見た目にも華やかで心躍る素晴らしい一品が完成します。手間をかけた分だけ、豊かな香りと深い味わいとして応えてくれる本格的なレシピです。
お祝いの席やご家族での集まりなど、特別な日の食卓を彩るごちそうとして、ぜひこの土井善晴さん直伝のちらしずしをご家庭でお試しください。
