日本の家庭料理を代表する料理研究家、土井善晴さんの素晴らしいレシピ「あさりのだし巻き卵」をご紹介します。あさりの旨味を余すところなく卵に閉じ込めるこの一品は、いつものだし巻き卵とはひと味違う、奥深い味わいが特徴です。
かつお節や昆布の出汁の代わりに、あさりを酒蒸しにした際に出る濃厚な蒸し汁をそのまま使うという、土井善晴さんならではの理にかなった見事な調理アプローチが光ります。あさりから出る自然な塩気と磯の香りが卵全体をやさしく包み込み、一口食べるごとに口いっぱいに豊かな風味が広がります。
小口切りにした青ねぎの爽やかな彩りと香りも、味わいに素晴らしいアクセントを加えてくれます。夕食の一品としてはもちろん、お酒のおつまみや、少し贅沢な朝食のおかずとしても大活躍間違いなしのレシピです。
あさりの砂抜きから卵の巻き方まで、一つ一つの手順を丁寧に行うことで、家庭でも本格的でふっくらとした美しいだし巻き卵を作ることができます。土井善晴さんのレシピで、豊かな食卓をお楽しみください。
【土井善晴さんのレシピ】あさりのだし巻き卵の作り方
Course: 副菜Cuisine: 和食2
servings30
minutes10
minutes200
kcal40
minutes日本の家庭料理を代表する料理研究家、土井善晴さんの素晴らしいレシピ「あさりのだし巻き卵」をご紹介します。あさりの旨味を余すところなく卵に閉じ込めるこの一品は、いつものだし巻き卵とはひと味違う、奥深い味わいが特徴です。
材料
卵(L) 3コ
あさり 200g
青ねぎ 3本
塩
酒 大さじ2
しょうゆ 小さじ1
サラダ油 適量
作り方
- あさりはバットに並べて海水程度の塩水(水カップ1に塩小さじ1)をヒタヒタに加える。ぬらした新聞紙でふたをして砂抜きをする。青ねぎは小口切りにする。
- 殻と殻をこすり合わせて洗い、鍋に入れる。酒大さじ2をふって弱めの中火にかけ、ふたをして約3分間蒸し煮にする。
- 貝が開いたら火から下ろし、粗熱を取る。殻をはずし、身と蒸し汁を合わせて量る。足りなければ水を加え、カップ1/2とする。
- 卵をボウルに割りほぐし、 3 と青ねぎ、しょうゆ小さじ1を加えて混ぜる。
- 卵焼き器にサラダ油適量をなじませ、強めの中火で十分に熱する。 4 の卵液を玉じゃくしに2/3ほどすくって流し、半熟状になったら、向こう側から手前へ三つ折りにする。
- 焼けた卵を向こう側に戻し、あいたところにサラダ油を塗る。 5 と同様に卵液を流し、焼けた卵の下にも行き渡らせ、半熟状になったら三つ折りにする。
- 6 を繰り返して巻き重ね、焼き上がったら、すぐに器に盛る。
メモ
- 土井善晴さんのレシピ (あさりのだし巻き卵)
あさりのだし巻き卵を美味しく作る3つの極意
蒸し汁を含めてカップ1/2の出汁を作る
手順3にある通り、あさりを酒蒸しにして開いた後、殻をはずし、身と蒸し汁を合わせて量ります。このとき、足りなければ水を加えてきっちりカップ1/2の分量に調整することが、美しい仕上がりのための極めて重要なポイントとなります。
あさりを約3分間蒸し煮にした際に出るエキスがたっぷりと溶け出した蒸し汁を余さず使うことで、市販の出汁にはない豊かな旨味が加わります。この計量した蒸し汁を、ボウルに割りほぐした卵にしっかりと混ぜ込むことで、卵全体にあさりの濃厚な風味と程よい塩分が均一に行き渡り、風味豊かなだし巻き卵となります。
卵焼き器を強めの中火で十分に熱する
手順5で示されているように、卵焼き器にサラダ油適量をなじませたら、「強めの中火」で十分に熱することが、失敗せずに美しいだし巻き卵を作る最大の極意です。卵焼き器が十分に熱された状態を保ちながら、用意した卵液を玉じゃくしに2/3ほどすくって一気に流し入れます。
卵液が半熟状になった最適なタイミングを見計らって、向こう側から手前へと手早く三つ折りに巻いていくことで、あさりの身や青ねぎといった具材をしっかりと包み込みながら、層の重なったふんわりとした食感に焼き上げることができます。
海水程度の塩水で確実にあさりの砂抜きを行う
手順1に明記されている通り、あさりの砂抜きは、水カップ1に対して塩小さじ1を溶かした「海水程度の塩水」で行うことが不可欠です。バットにあさりを並べて塩水をヒタヒタになるように加え、その上からぬらした新聞紙でふたをするのが正しい手順となります。
この方法で暗く保湿された環境を意図的に作ることで、あさりにしっかりと砂を吐かせます。その後、殻と殻をこすり合わせるようにしてしっかりと洗うことで表面の汚れも完全に落とし、だし巻き卵を食べたときのなめらかな食感を損なう雑味や、砂のジャリッとした不快感を防ぐことができます。
最高のペアリング:料理を引き立てる飲み物
あさりの濃厚な旨味とふっくらとした卵の食感が楽しめる「あさりのだし巻き卵」には、すっきりとした辛口の日本酒や、ミネラル感のある白ワインが非常に相性良く寄り添います。白ワインを合わせる場合は、シャブリやサンセールなどのキリッとした酸味を持つフランス産の辛口白ワインがおすすめです。
あさりの持つ磯の香りや自然な塩気を、ワインのミネラル感がさらに引き立ててくれます。また、日常の食卓であれば、よく冷えたビールや、焼酎の炭酸割り(チューハイ)、爽やかな香りのハイボールなどとも素晴らしいペアリングを奏でます。
お茶を合わせるなら、旨味の強い玉露や、香ばしいほうじ茶を用意すると、和の風味を一層深く楽しむことができるでしょう。
保存テクニックと温め直し方
あさりのだし巻き卵は、魚介類を使用しているため、基本的には出来立ての温かいうちにその日のうちに食べ切るのが最も美味しく、かつ安全です。どうしても保存が必要な場合は、完全に粗熱が取れてから清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保管してください。
ただし、時間が経つとあさりの身が固くなり、卵から水分(旨味を含む出汁)が滲み出て食感が変わってしまうため、翌日中には必ずお召し上がりください。電子レンジで温め直す際は、ふんわりとラップをかけ、短時間で様子を見ながら温めてください。
このレシピのまとめと栄養のポイント
土井善晴さんのレシピ「あさりのだし巻き卵」は、日常の食材である卵とあさりを組み合わせることで、驚くほど風味豊かなごちそうへと昇華させる素晴らしい一品です。あさりを酒蒸しにして得られる濃厚なエキスを、そのまま卵液の出汁として活用するアプローチは、家庭料理の枠を超えた本格的な和食の知恵を感じさせます。
だし汁をとる手間を省きながらも、あさり本来の持つ塩味と旨味を最大限に生かすことができる、非常に理にかなった調理法です。青ねぎの風味としょうゆのほのかな香りが全体をまとめ上げ、一口食べればお箸が止まらなくなる美味しさです。
ご家庭での夕食のおかずとしてはもちろん、おもてなしの席や晩酌のお供としても大いに活躍してくれる、ぜひマスターしておきたい極上のだし巻き卵レシピです。
